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こども大家の子育てブログ

ダウン症をもって生まれた次男スズの将来をなんとかしたいと思い、パリピの長男レンと一緒に不動産賃貸業にチャレンジしている自営プログラマーのブログです。楽待でコラムを書いております。
なお読書感想文はネタバレが満載です。ご注意下さい。

 10年ほど前、たまたま「窓際のトットちゃん」を読んだ。

 ちょうど長男が生まれた直後で、子育てにかかわる本を沢山読んでいた時期だ。

 

 あまりにフリーダムで、学校がめんどうをみきれなくなるほど天真爛漫な女の子「トットちゃん」。

 

 本来人間というのは、個性的であればあるほど生きやすいと思うのだが、実際はいろいろな障害があって「ユニークでいつづける」こと自体が難しい。転がる石のカドが取れていくように、だんだん似たような形になっていく。

 それはそれで悪いことばかりではないが、ありのままでいられれば、もっと幸せなんじゃないか。

 

 その意味で、トットちゃんはすごくラッキーな女の子だったと思う。

 彼女はその後、よい環境や人との出会いに恵まれて、のびのびと育った。

 

 私はこの本のおかげで、親としての自分の役割がはっきり理解できた。

 この本に出てくるオトナたちのように、子どもにとっての「恵まれた環境」でありたい、そう思うようになった。

 

 

 長男のレンが小学生になって、毎日のように学校から電話がかかってきた時期があった。

 マジで退学させられるんじゃないかと思うこともあったが、その時も私はトットちゃんのことを思い出して、長男にとっての「恵まれた環境」でありつづけられるよう務め、彼のことを信じた。

 

 この本を読んでいなかったら、きっと私の行動は少し違っていた。

 本当にありがたい・・この本には、感謝してもしきれない。

 

 まあ、35カ国、累計発行数2500万部もダテではない。

 子育てをしている人は、みんな読んだ方が良いと思う。

 この本は、真に名著である。

 

 

 

 さて、その続編「続 窓際のトットちゃん」が出るということで早速読んでみた。戦争がはじまって、トットちゃんが成長して、スターになるまでの話。

 

 全体とおして静かに語られてはいるが、とても強烈な内容で、戦争やテレビ黎明期を「作者の目を通して見ている」・・そんな臨場感があった。あるていど知っているつもりだった戦争中のことも、知らないことばっかりだった。

 

 

 私はこれからの世の中が、近い将来に大きく変化すると確信している。

 そのときに、幸せであるためにいったい何が必要なのだろう。

 

 財産?知力?りてらしぃ?

 違う、そんなものは枝葉だ。

 これらは世の中がスタティック(静的)であることを前提にした価値観にすぎないのではないか。

 

 きっと究極的に求められるのは、楽天的でくよくよせず、がんばればどうにかなるさと自分を信じる、しなやかな精神。

 トットちゃんの生き方は、ひとつのお手本になるだろうと思う。

 

 

 

 

 

 

あとついでにこれ貼っておきます。

 

 

 

 

 スズ(2)はつかまらずに立てるようになり、思った通りあっという間に歩き始めた。

 今では、家の中をひたすらうろうろしている。

 

 ところで、長男のレン(11)と比較すると、あることに気づく。

 「立ち上がる」にしても「歩く」にしても、スズのほうがはるかに余裕を感じさせるのである。

 

 

 参考までに、レンが歩き始めたとき(1歳3ヶ月)はこんな状態。

 

 

 これ以上早く歩くことはできなかったと思うし、しばらくこの状態が続いた。

 一方スズは、立ったと思ったら、すぐにかなりのスピードでガンガン歩いた。最初から余裕があった。

 

 レンのときは「おー立った立った!」とか「歩いた!」とか思ったもんだが、スズのときは「え?それ、いつから出来てたの?」というのが正直な感想。なんか違う・・

 

 

 これは、ダウン症かどうかというより、もっと性格的な違いかもしれない。

 スズはとても慎重で、未完成のものを人前で披露しない・・

 「完成してから披露する派閥」なのかもしれない。アーティスト気質。

 

 ついでに言うと、いまだ喃語(なんご)のみのスズにとって、次の課題は「言葉を話す」だろう。

 今のところ1単語たりとも話せないのだが、上のような事情があり、「もしかしたらこいつほんとはしゃべれるんじゃないか?」と私は密かに疑っているのである。

 昨年楽待のオフィシャル記事に、私とレン(10)のことを掲載してもらった。

 

コラムニストに訊け!8歳の息子と始めた不動産投資、目標が「月収50万円」のワケ

 

 人生ではじめてインタビューなるものを受けた。とても新鮮な経験だった。

 

 ライターであるファーストロジック社のお兄さんは、感じのいい優秀そうな若者で、そのお兄さんがインタビューの最後に、「なにか質問はありますか?」という。そこで、私はこのような質問をした。

 

「あの、コラム書くのすげえ時間かかっとるんですよね。これなんとかなりませんかね。 たぶん私、実戦大家コラムニストの中でもトップクラスに時給安いと思うんですよね。

 そもそも、モノを書くということを磨くにはどうしたらいいんスかね。」

 

 その時、お兄さんが教えてくれたのが、この本「取材・執筆・推敲  書く人の教科書」だ。

 

 一旦読了してみて、これはすごい本だと思う。

 コラムニストになってからいくつか文章に関する本を読んだが、こんなに根本的な話をされるとは思ってもみなかった。

 「教科書」とかって、フロシキが巨大なのも伊達ではない。

 

 「おもしろい」とはどういうことか、「コラム」とはなにか、定義を深く掘り下げているし、文章を構造的にとらえる点でもとても勉強になった。

 

 ただ、私が指向した「サクっとコラムを書く」という点に関して言うと、ある意味で絶望を教わったかもしれない。

 

 ライターは、そこに投じた「時間」や「苦労」をカウントしてはならない。つまりライターにとっての時間と労力は、本質的にゼロであり「タダ」なのである。
 (中略)
 そこに投じた時間や労力は事実としてタダであり、無価値だからだ。そしてタダだからこそ労力は、「使い放題」なのである。

 

 まあね・・そう言われるかなーと思った。

 私は若い頃に作曲を仕事にしていたことがあるのだが、コラムを書いているとき、当時と似た苦しみをいつも味わう。音楽でも文章でも、作品を作り上げるというのはやっぱ時間がかかって当然なのだろう。

 でも中には30分くらいで書き上げる人もいたりして、正直うらやましい。このあたりは、自分なりにいろいろ試行錯誤を続けるしかない。

 

 とはいえ、トータル、この本の内容はすばらしい。

 作者は自分の筆力が高くないと自己評価しているが、文章がとっても読みやすいし、さすがにプロだなと思わされる。

 

 ところでインタビュアーのお兄さんは、レンに対しても「逆になにか質問はあるかな?」と聞いていた。

 そこで、レンは即座に「お兄さんの給料の額」をたずねた。

 我が子ながら、核心を突く質問で感心する。

 瞬発力がすごい。