世間に溢れているシステムは、不完全なものも多い。
その不完全なシステムが、時に惨事を生む。
ありとあらゆるものにシステムが用いられていて、人命に関わるものも数多い。
医療機器、兵器や軍事機器、航空機、車、電車などに搭載されている制御システムなんてその最たるもの。
もう少し間接的なものだと、例えば飛行機が飛んでいる位置を示す地図システム、電車の運行管理システム、薬局の調剤システムとか。
もちろん、システムにすべて委ねているわけではなく、人の目でもチェックして安全が保たれているけど、裏を返せばシステムほど信頼できないものはないということ。
もう少し重要度が低いもの。
例えばコンビニのPOSシステム、プリンタの制御システム、インターネット通販の注文システムなど、挙げたら切りがない。
そんな直接的に人命に関係しないシステムについては、どうしたって検証が甘くなる。
システムの検証にはものすごくコストがかかる。
合理的な目線で言うならば、システムのミスで何かあった時の被害(賠償金など)と、システムの検証に掛かるコストを天秤に掛ければ、起こるかどうかわからないミスに対する比重は低くなる。
もちろん、経営層は完全なシステムを低コストで作ろうとするが、それは到底無理な話で、下に降りていくほど妥協が生まれる。
本当にミスのないシステムを構築しようと思えば、そのシステムの規模に比例して莫大な費用がかかる。
だから僕は基本システムを信用しない。
地図アプリの経路が必ずしも適切であるなんて思わない。
銀行に依頼した振込が間違いなく実行されているだなんて思わない。
iPhoneは必ず着信するとは思わない。
巷に溢れているシステムほど信用できないと思っている。
スマートフォンのアプリなんて、個人が作ったようなものも多く、アップロードした画像や情報が意図せず流出してしまう可能性は低くない。
TwitterやInstagramでアカウントに鍵をかけても、ある日不具合で誰でも見れる状態になることなんて普通にあり得る話。
LINEで話す会話だって、いつ誰の目に触れるかなんてわからない。
過去にはiCloudの写真が流出したこともあったし、仮想通過が盗まれたこともあった。
最近では7Payの不具合が目立つ。
名のある企業が開発してもこうなるのだから、安全なものなんてきっとない。
でも、システムを信用しないよりは盲目的に信用する方がきっと幸せだと思う。
仮に何かあっても自分に被害が及ぶ可能性は低いし、万が一被害を被っても、それが人生を脅かす確率は低い。
それに、いくらシステムを疑ってみても、利用しないで生きていくなんて不可能だ。
無駄に疑うだけ時間の無駄。
近い将来アンドロイドと会話をする時、その話す内容を信じることができるかな。
そして、もしそんな日が来るとしたなら、それが人類にとって幸せな未来なのか。
これも考えるだけ無駄。
流されて生きるなら受け入れるしかない。