私は、統合失調症を発症して15年です。

 罹ってから数年は病識が全くなく、自分が一生ものの精神の病だという自覚もありませんでした。

 統合失調症と自覚したのは、今から大体6年前、2度目の再発の時。

 当時の主治医のA先生が書いた診断書の封を開けて書類を見た時に、初めて自分が統合失調症であることを知りました。

 その頃は病状もとても酷く、自分の病気を受け入れるのはとてもつらいことでした。

 でも、徐々に自分の病気を受け入れ、また病気についても前向きに知ることができるようになりました。

 本屋さんでは、よく統合失調症の本を手にとっていましたね。

 3度大きな再発をして長期入院したりして、さすがに3度目からは、次は再発はもうしたくないし、絶対できないと思うようになって、今までの自分がどういう経過で何が引き金になって再発をしたかを考えるようになりました。

 やはり統失の人は、精神的なストレスに弱いから、ストレスの原因となることをなるべく避けることがいちばん大事ということを、すごく感じました。

 環境の変化も、再発の原因になりやすいですね。

 新しい環境に入る時は、なるべく無理のないように、ゆっくり慣らすことですね。

 そして、A先生の教えの通り、6割を心がけることが大事。

 自分の思うことの6割で動くというのは、これだけやりたいのに、ここまでで抑えておかないといけない、でも動きたい、とすごく葛藤があって、結局無理をして6割を越して100%頑張ってしまって、結果ダウンということが度々ありましたがね。

 今では体力もついたので、自分の容量も広がったので、ふつうに6割を守れるようになりました。

 6割というのは、病気の人に限らず、健康な人も全てにあてはまると、A先生はおっしゃっていました。

 そして、睡眠をしっかりとることが大事。

 特に、朝起きる時間を変えずに、8時間くらいしっかり眠ること。

 睡眠不足や不規則な睡眠は、精神的に崩れる要因になりやすく、よく眠れていることが健康のバロメーターでもあります。

 私は、状態が悪い頃は、不眠がひどく、毎晩夜中にインターネットをして時間を潰していたりしました。

 ブログを始めたきっかけにもなりました(笑)

 眠剤を2錠飲んでも全然効果がなかった時期もありました。

 けっこう長く眠剤のお世話になっていましたが、今は全く飲まずにしっかり眠れています。

 そして、いちばん大事な、お薬。

 よくなったからと言って、勝手に止めてしまうことは、やはり再発の原因になるので、しっかり欠かさずお薬を飲むこと

 私は、自分の病気がわかった頃、このお薬を一生飲み続けなければいけないのか、と、すごく憂鬱になりましたが、今では、飲んでいて安定を保てるとても大事なものと思っています。

 エヴィリファイになってから、大きな崩れをしなくなったので、きっとこれはお薬のおかげなんだろうなと思います。

 そしてひどい不安に襲われて、どうしようもない時は、早めに頓服を飲むこと。

 我慢できると思ってつらい思いをして、症状を悪くしてしまうのではなく、これはちょっとという時は、お薬(頓服)に頼ることも大事だと、この春少し具合いを悪くした時に、学んだことです。

 さすがに15年も統失とつきあっていると、ちょっと波が来たな、とか、今回は大きな崩れはしないな、このくらいなら入院することはないな、とかわかってくるようになりましたね。

 あと、これも大事なこと。

 自分なりのストレスの解消法を持っていることと、困った時や悩んだ時、不安になった時、自分の中に溜め込まず、人に話して軽くすること

 私は、美味しいスイーツを食べたり、好きな音楽を聴いたり、定期的にクラシックコンサートに行ったりして、ストレスを解消してますね。

 ストレスが少なければ、再発も防げます。

 昔はひとりで悩み事を抱え込んで、誰かに話した時は相当思い詰めてからでしたが、再発してからは、自然と溜め込まない、抱えておけなくて人に話すようになりましたね。

 それが、よかったのだと思います。

 この春に調子を悪くした時も、毎日に近いほどいろんな人に聞いてもらって、自分の心を軽くしていました。

 だからあまり悪くなることもなく済んだのかもしれません。

 今の私は、幻聴や妄想などの症状は全くありません。

 でも、ちょっとしたきっかけで、症状は出現します。

 そういう時、あーやっぱり私は統失なんだなと思います。

 年齢と共に病気は軽くなっていくと聞きますが、根っこの部分では消えてはいないので、症状が出なくなっても、慎重に行きたいですね。

 このようなことにいつも気をつけて過ごしていれば、再発は防げると思います。

 もし再発しても、大きな崩れはせずに通り過ぎることができるでしょう。
 
 今、ほとんどよくなっているから言えるのかもしれませんが、私は、病気にならなければ経験しなかったことがたくさんあるし、病気が運んでくれた人との縁も多いので、統失になってよかったなと、思えます。

 今、病気でつらい日々を過ごしている人も、寛解はきっとできます。

 だから、決してあきらめないで。

 病気に負けないでほしいです。

 こんなことが言えるようになるまで、私もずいぶん長かったな。

 これからも、病気と上手くつきあって、私らしくゆっくり歩いていこうと思います。

 
 長文になりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。