毎日牛乳を200ミリリットル飲む淡路中学校の1年2組担任が辞職することに!では第2話始まります。
私は教師だからと言って四六時中生徒たちのことを考えていたわけではありません。みんなも知っているように私はシングルマザー、未婚の母でした。
四歳だった娘、朱里(あかり)の父親にあたる人と結婚が決まっていました。
しかし父はHIV(後天性免疫不全症候群)にかかっていました。彼がHIVに感染したのは一時期外国で自暴自棄な生活を送っていたためでした。もしあなたの父親がHIV感染者だったら・・・ただでさえHIV感染者と聞いただけでドン引きなのに・・・
子供のことを思い、結婚は断念しました。
出産後朱里は感染していないことがわかりました。どんなに胸をなでおろしたことか。私はすべての愛情を朱里に注ぎ込みました。
しかし、朱里はもういません。
朱里は『わたうさちゃん』が大好きでした。スーパーに出かけた時ファー素材でできたわたうさちゃんの顔をかたちどったポシェットにわたうさちゃんの顔のホワイトチョコレートが一枚入っているものを朱里は欲しがりました。でも買い物は一日一つまでと約束していました。
そのひ、朱里はすでにわたうさちゃんのトレーナーを着ていました。死んだときにきていたあのトレーナーです。なので「今度来た時のお楽しみ」といいその日はあきらめました。
偶然、家族と買い物に来ていた下村君に「たった700円なのに、買ってあげれば?」と声をかけられました。第三者の登場で朱里も冷静になり「今度来た時は絶対かってよ」といい立ち上がりました。
仕事が終わりいつものように保健室に朱里を迎えに行くと朱里はいません。プールで死んでいたのです。
朱里の死は私の保護者としてのことができていなかったことが原因です。学校でこのようなことをおこしてしまいまことに申し訳なく思っております。
しかし、もしも朱里の死が本当に事故であれば、悲しみを紛らわすために自分の犯した罪を悔い改めるためにも、教員を続けていたと思います。ではなぜ辞職するのか?
朱里は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。