血統の改良は数多くの淘汰の繰り返しである。サラブレッドは極限のスピードを求めて改良が積み重ねられてきた。牡馬は種牡馬になれるかなれないかでその馬生は大きく変わるし、種牡馬として成功すれば多頭数との交配が見込め、自身の血の広がりに繋がっていく。
それに比べ牝馬は余程のことがない限り繁殖入りはできるのだが、自身の産駒数においては牡馬のそれには到底敵わず、優れたファミリーラインの形成はそう簡単なものではない。
近年ではシーザリオの牝系が評価されているが、エアグルーヴ一族やローズキングダムに代表される薔薇一族が良質な馬を輩出し続ける有名なファミリーラインである。
今回の出走馬の中では同じ牝系の馬が2頭。エアスピネル、エアロロノアの母系を辿るとアイドリームドアドリームという馬に行き着くのだが、この系統も優秀な馬を輩出し続けて来た。エアデジャヴーが98年の牝馬クラシックを沸かせると、00年にはエアシャカールが2冠を達成。
エアデジャヴーはエアメサイアを産み、そして上記の2頭に繋がっていく。この一族は総じて堅実、悪く言うと勝ち味に遅い傾向がある。エアスピネルは過去にGⅠで3度の2着ながら中々頂点に届かず、エアメサイアは秋華賞を勝ったもののエアデジャヴーともに掲示板内率のと比べると低い勝率が目立つ。
だからこそ、愛される系統であるのだが、エアロロノアに関しては連勝の勢いそのままに、本番も通過してほしいものである。
1番人気が予想されるケイデンスコール。デビュー後の連勝、低迷、GⅠでの大駆け、低迷、復活と浮き沈みの多い成績である。今年に入り成績が安定、今回のメンバーであれば実績上位となるが、人気となる今回が試金石。この馬も母系はステイゴールドやバランスオブゲームなど、日本に根付いた名牝系である。
その他ディープインパクト産駒のアルジャンナ、ギベオンは海外の名牝にディープインパクトという現代の黄金配合。前者は昨年のクラシック候補、後者はデアリングタクトを破る大金星を挙げたばかり。阪神マイルは桜花賞に代表されるようにディープインパクトの舞台である。
最後にルフトシュトロームは母系がディープインパクトと同じウインドインハーヘアの系統。同馬はデビュー3連勝までは良かったが、ここ2走は中山マイルを人気で惨敗。早熟とみるか、適性が合わなかったと見るか。血統的にはこれからの馬だけに復活を期待したい。
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