雪組別箱感想文、最後は全ツショー『Gato Bonito!』について
前述しましたが、このショー、初演はあんまり好きじゃありませんでした。
むしろ『凱旋門』の方は大好きだったんですが…
(思えばこちらも柴田先生、藤井先生の組み合わせでしたね)
まずなんと言っても黒塗りが…
それから実はあの女装猫があんまり…
かっこいいけどちょっと長く感じるタンゴ場面、CM的に登場する組長さんたちレジェンド猫…
だいきほのコンビ感もお芝居からの印象のせいか、女装男役との絡みが濃かったせいかあまり…
それが、まず、黒塗りかもと恐れていたスチール写真が出た時から、あれ？これはいいのでは！？となりまして(笑)
ほんのり褐色、そして猫顔の朝美さんと夢白ちゃん！
おそろい？の猫毛？のイヤーカフ！？可愛い！かっこいい！
初日梅田に向かう中、テンションが上がってきました！
朝美さんとあやちゃんの、その美の暴力はシルクロードの銀橋での並びから言われてきました。
朝美さんも、あやちゃんも美形ですが、舞台が大好きで芸事にストイック、そして根っこが陽の2人。
スタイルの完璧な咲ちゃんとあやちゃんの並びも美しいけど、朝美さんとあやちゃんの並びの良さは顔を寄せあった時の強すぎる顔面同士の美の暴力！だなと思います。
まず、可愛い白猫ちゃんたち(律希奏、結翔恋、音綺みあ、桜菜みのり)を率いて女王猫の夢白ちゃんが登場して、ミトさんが歌った冒頭のテーマを歌った時から、最高！！！と感じ、縣くんの血潮が爆発しそうな男役の場面から、息付く暇もないラテンのラッシュ！！そして縣くんとダンサーで可愛い麻花すわんちゃんのコンビによるピアノの場面、あがちんは今回どちらも当時2番手だった咲ちゃんの場面を引き継いで頑張っていました。
ピンクの子猫のすわんちゃんの可愛さとダンスは必見の価値ありなんですが、後ろで踊る黒猫ちゃんたち(咲城けい、聖海由侑、琴峰紗あら、華純沙那)もめっちゃ可愛いし、みんなうまい！！既に目が足りないところに合流してくる鍵盤(ダルマ)のラガマフィンたちもみんないい！！
みんな良くて選べないんですけど、私のお気に入りは下手の黒の紗香にいなちゃん、白の桜菜みのりちゃん、センターの白の律希奏くん、その隣の黒の麻斗海怜くん、あと、黒の風雅奏くん、霧乃あさとくん、白の水月胡蝶くん…ほんとに、ほんとに目が足りませんでした。
それから客席を阿鼻叫喚の渦に巻き込んで登場のアビシニアンを探すガートボニート(艶)
ここは席によっては悲鳴しか聞こえないシュールな場面ですけど…
初演は客席からの登場場面じゃないし、まず娘役さんたちが舞台上でバチバチしてるんでした。
全ツでは特にラストの地、愛知県立芸術劇場では上階からの見え方が問題になっていて、中詰め猫祭りの客席降りの時のように、舞台上に誰かいる、無人の時間がもっと少なかった方が良かったのかなぁとも思います。
(そもそも手すりで舞台上も見えない状況だったらそれも無意味ですけどね…せっかくの全国ツアー、キャパシティの問題もあるとは思いますが劇団は演目にあった会場を選ぶか、料金に差をつける、注釈付きにするなど今後今回のような意見を参考にして欲しいです。頑張った出演者もせっかく観に来てガッカリされたお客様にとっても不幸です)
話が逸れました…
マリアを探し求めるガトボニ(艶)が舞台に上がってからの、ドラマの感じられる振付や表情、視線がまるでかめロマの続きのようで(こっちの希良々うみちゃんはめっちゃ誘ってきますけど)(なんなら愛羽あやねちゃんも)このタンゴの遠慮のない足さばきや体や顔の距離感がめちゃくちゃいい！
お互いの足首を重ねて上げ下げするとことか、緩急の付け方とか、めちゃくちゃお稽古したんだろうし、相性の良さもですが、相手役に対する信頼とかも感じました。
相当なお稽古や相性とか信頼と言えば、最後のデュエットダンス、まさかあんなことが出来るとは、お稽古場映像で見た時もビックリしましたが、衣装をつけて１日２公演の日も、各地への移動もあって疲れもあるだろうに全公演でリフトをし成功させたこと、本当にすごいと思います。
朝美さんは小柄と言われているし、背があんまり高くない男役は他にもいるけど、それだけじゃなく骨格が華奢に見えます。
夢白さんは細くて軽そうだしダンサーさんだから乗るのも上手いかもしれませんが、正直事故がないように…無理はしないで…と祈っていました。
もしかしたら楽屋ではサロンパスを貼ってたかもしれないけど、舞台上ではそんな心配ご無用とばかりやってのけて見せた朝美さん、夢白ちゃんに素直に大きな拍手を送りたいです👏✨️✨👏
タンゴからデュエダンに飛びましたが、戻って、猫祭りの中詰めのパレード、メインクーンをまさかのさんちゃあーーーんと駆け抜けた咲城けいくんとひとりひとりめちゃくちゃセクシーでかっこいいメインクーン女の娘役さんたち(麻花すわん、琴峰紗あら、華純沙那、夢陽まり、紗香にいな、琴華ひまわり)
あんまり好きじゃなかった女装猫は白猫のあがちんひとりになり、これがODYSSEYで雄々しかったアガルメン(ほめてます。本場のカルメンはあんな感じだそう)が嘘のように美しく可愛らしいにゃんこに！！！
私が見た時はコピー用紙がはいるかどうかと感じるくらいの唇スレスレ💋💕
じゃれ合う感じがセクシーなんだけどどこか爽やかで良かったです✨
新しくなったシンガプーラは真那春人さんと卒業の千早真央ちゃんのダンスにここでもまた活躍の希良々うみちゃんのダバダ〜💖
その後の透真かずきさんと一緒のダバダ〜💖も上手いし面白いし、そしてマントの扱いが恐ろしく美しい！！！
2番手娘役と言ってもいいトゥールベル夫人、ダバダの歌手、エトワールまでやってくれた時は希良々うみちゃんが好きすぎて、これが…ってことじゃありませんように！！！とめちゃくちゃ怯えています。
黒猫のタンゴのアドリブの面白さ、移動中にずっとそのことを考えていたという千秋楽のカテコもご当地全部のせもニュースの映像にあるので割愛して、その後ガラッと空気を変えるべく頑張った縣くんへの同情も集まるチャウシーの場面。
こういう全員ほぼ同じ衣装でひとつのテーマを踊る場面が私は大好きなんです(グラタカの雪月の月の精も大好き)
ここは初演でも心に残る大好きな場面でしたが、望海風斗さんの、圧倒的な歌唱力、存在感があってこその場面だとも思っていて、それをほぼそのまま、全ツチームで朝美さん、夢白ちゃん、あがちんで再演していて、同じだけどちょっと違う、望様がボスなら朝美さんは若頭というか(いま2番手だし)
うまく言えないけどすごく神聖で、神々しい場面でした。
FFの冒頭、咲ちゃんを迎える場面でも感じたんですが、朝美さんのこういう時の清潔感が、まるで神に身を捧げ祈る覡のようだなと感じます。
さっきまでガートボニートさんのアドリブで笑いを取ってた人なのに…(ほめてます)
歌詞の、今日裏切られても明日いいことがある、というのも、初演望さまで聞いた時に感じた、花組からの組替えなど意外にも順風満帆ではなかったことが込められてるのかという思いと、同じく月組から組替えしてきた朝美さんに重なる部分もありながら、コロナ禍以降心をくもらせることが多い今の状況や、聴く人のさまざまな状況への励ましのようにも感じられました。
ABMでも歌詞に、未来へ、というフレーズがありましたが、ガトボニの明日、マニャーニャ！にも、自分も含めてすべての人へ向ける前向きなメッセージ、同じ思いが込められているような気がします。
フィナーレはまたしても娘役に囲まれ、男役が合流しての群舞からのデュエットダンスへの流れ。
多分ここがアビシニアンとかぶるんですね。
でもスーツにハットでオラオラと男役芸を見せる見せ場でもあります。
正直スタイルは、やっぱり咲ちゃんと比べたら…ですが、そういう不利もふくめ、これまで努力して磨いてきたそれぞれの美学が感じられます。
パレードでは、ついに、雉が入った大きな羽根…
この羽根は初演で望さんが背負われていたものと同じデザイン(ナイアガラは無し)に見えました。
本当に本当に、感動的な舞台を見せてくれて、朝美さんだけじゃなく、このチームひとりひとり全員が舞台での役割を考えて、それを果たし、ワンチームで作り上げたこと、それぞれの経験と成長が感じられたこと、本当にありがとう、おめでとう！！という気持ちです。
今回とても頼もしくなった下級生さんたちが次は自分たちのワークショップなど経験出来たらいいのにな、と思います。