バッハ「クロマティック・ファンタジー&フーガ」復活編#2 | 心と体をラクにするピアノ奏法

心と体をラクにするピアノ奏法

ピアニストでピアノ講師の荒井千裕が
ピアノの奏法、呼吸法、身体の使い方をお届けします。


今日はいつもより一時間も早く!朝8時からのレッスンでした(涙)。。。

予定ではラフマニノフの赤ずきんちゃんを見て頂くはずだったのですが、
そんなに朝早くじゃ・・・近所迷惑じゃ?
というか・・・私の脳が・・・破壊されてしまう(笑)。

突然昨日師匠から電話があって時間が変更になり、それから方針変更。

バッハ「クロマティック・ファンタジー」のフーガだけ見て頂こうと。
もし、時間があればベーソナ6番の第三楽章の始めのところを少し見て頂きたいと。

なんで今、クロマティックのフーガかって言うと、どうもね、またテンポが狂ってきてるんです。
これはつつけばまだ一杯あるだろうと。


案の定でした。





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半音階はどの曲でもいつも指に緊張感を持たせること。
有効な練習法は、指に輪ゴムをはめてくっつけて弾くこと。

出だし、「らーしーしー|どー」までは1~4までの指を非常にくっつけて(寄り添わせて)
そして、第三関節(手の甲と指が接続している関節)を動かして弾かないこと。
指先だけ。

そしていつの時も、3拍目の音は次の1拍目へ向うことを意識する。


画像二段目の「れっれみふぁっふぁそらっらし|どー」の弾き方が非常にロマンティックになってるよ。
バッハはもっと縦の動き。
アンタの弾き方、「れっ」から「れみふぁっ」へ行く時、腕が外側に動いて行っちゃって、その勢いで弾いてるんだよ。だからロマンティックになっちゃってる。
そうじゃなく!手首を使う。
手首を前に押し出す。
「れみふぁ」に用意しておいた指は動かさない(アクションし直さない)。
そして「ふぁ」打鍵の時に手首を使う。

そうすることで、もっと生きてくる。



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一段目、二小節目の右手のソプラノ、トリルはもっと生き生きと。

二段目の右手は二声でしょ。
「みふぁそらー」と「ど|ふぁー」は別もの。
「みふぁそらー」は超レガートで、そして「らー」を弾いたら一度手をオープンにして、その形のまま「ド」へ指を下ろす。
そこからアクションしなおすとアクセントが付いちゃうよ!

二段目3小節目の「ふぁそふぁ」はクライマックス。
アーティキュレイションをはっきりと!

続く「どしらっらそふぁっふぁみ」も、チビっ子が悪さして「きゃきゃきゃっきゃきゃきゃっ」て、はしゃいでいるように、はっきりとしたアーティキュレイションで。



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一段目1小節目の内声、あんたさ、「・らーーし|どー」だと思ってない?
違うよ!
「・しらそらーーし|どー」だよ。
その16分音符の「・しらそ」を、あんたは聴いてないから!だからそこで走るんだよ。

アンタの<走りポイント>は、アンタがその音の流れを聴いていないことによって発生してるんだよ!

2小節目ソプラノもさ、「・みーーふぁ|そー」だと思ってるでしょ?
ちーがーう!
「・ふぁみれみーーふぁ|そー」だよ!
そこの内声もアンタは聴いてない!
「・れどしらしどー|・どしらしー」そしてそれはそこで終わりではなく「どー|れーー」と繋がってるって、
わかってんの???


    ひぃぃぃ・・・・



二段目も!
ソプラノは「・らしどれーー|・れどしどーれー」でしょ!
アルトは「・みれどしみれみ|らみらーーー」でしょ!
全てをきちんと聴く!
ラインを聴く!
拍を感じる!

二段目2小節目のバスは「・・・しらそふぁしらし|み」の最後の「しらし|み」はカデンツ!!!


   ひぃぃっ・・・・



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(例えば1小節目は、「しそれ」までを右手、続く「しそれしそみ」を左手で取るのですが)
あんたさー、「それしそれしそみ」って一声になってるよ!違うでしょ?二声でしょ?

だから、左手で弾く「しそ」と「れしそみ」は違う弾き方をしないと駄目でしょう。
右手から続く「しそ」はレガートで。
そして「しそ」を弾いたら一度手をオープンにして、「れしそみ」は手のレベル(高さ)を一定にして弾く。
最後の「み」は鍵盤に対して指をまっすぐに入れる。

続く右手も、「どそし|らふぁらどふぁ」って一つじゃない!
「どそし|ら」で一つ、そして「ふぁらどふぁ」で一つ。
後者の「ふぁらどふぁ」はアーティキュレイションをはっきり!


でーー!そういうことに気を取られていて、2小節目からの左手で弾く8分音符をおざなりにしない!
もっと生き生きと!
「しっそっ|どー」 「どっらっ|れー」
<そ>は<どー>へ向う。
<ら>は<れー>へ向う。

方向性をきちんと示して!




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左手が下手すぎ!

それぞれにラインがあるわけだけども、それだけじゃない。
全てはビートに乗っているということが大事。
「1.2.3.」という拍子は、

1.2.3~

と、なる。

これに乗れていれば走らないって。


   他の部分もいっぱい手直しされましたが、大方、こんな感じのことでした。


ほ~れ、まだまだやること いっぱいあるね(笑)。



    ひー、ほんとだー。もう・・・
    しかしこの曲は、師匠のレッスンを受けるようになってから、壮絶に書き込みが多い楽譜です。
    同じ期間レッスンを受けている「赤ずきんちゃん」なんて、まだ白い白い(笑)。
    しかし、同じ期間練習してレッスン受けてるのに(どちらの曲も・・・一年の誤差はあるものの
    8月から練習を始めて翌年の2月までレッスン受けてたという期間が同じなのに)
    「赤ずきん」は、なっかなか弾けるようにならないなぁ・・・
    今日の私の「クロマティック・・・」は、この曲を最後にレッスン受けてコンペに出た昨年の
    2月の時とレベルは同じです。
    でも、課題はまだまだある、学ぶことはまだまだたくさんある。




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