「中島みゆき『4.2.3』に思うこと~中島みゆき作品解説13~」S3412/R


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■ 「4..2.3」 編曲者:瀬尾一三 <12:20>

1998年3月18日発売の25枚目のオリジナルアルバム『わたしの子供になりなさい』のLPB面5曲目(CD 10曲目/全10曲)。


◆ミュージシャン

・オリジナル

01. ベース:メッケン荻原

02. ドラムス:山木秀夫

03. ギター(EG):西川進, Micheal Thompson
04 キーボード:瀬尾一三, 小林信吾, Jon Gilutin

05. アコーステック・ピアノ:Jon Gilutin

06. プログラム:浦田恵司


◆2015.11.19 夢野旅人

戦後。

日本人の僕は、世界で起きているさまざまな紛争に対し傍観者であり続けた。

国内においても、一部の官僚や政治家に好き勝手にやられても我、間接なのだから、海の向こうの出来事は、所詮、他人ごと。


世界水準以上の経済力、安全、福祉、医療、インフラ。

そんな環境の中で、単一民族、人を傷つけない宗教感で生きてきた。

あらゆる面において恵まれている日本人の僕。

だから分かるはずない、理解などできやしない。


なぜテロが起こるかなど。

たとえわかったといえど、日本人の僕らに何ができよう。


無力感や諦観を味わうだけじゃないか。

僕だって生きるのに精いっぱい。

だから、見守るしかできない。

見守る・・・違う、傍観者になるしかないのだ。


だけど祈る。

世界の平和を望む。


それが無理というのなら、

せめて日本人の僕の生活に飛び火しないことを祈る。

そう、誰かがつぶやく。

自分は何も言い返すことなどできない。


12分20分という中島みゆきの作品の中で最長の演奏時間である 「4..2.3」。


1996年12月17日におきた在ペルー日本大使公邸占拠事件をモチーフとして書かれた歌。

「4..2.3」とは、日本時間における大使公邸に救出部隊が突入した日(1997.4.23.)。


その日、彼女は札幌でライブ。

ステージで、「この事件について自分なりに思うところがある。 いつか歌にしたい」と語り、一年を待たずして届けられた。


仕事の休憩時間。

癒しを求めてテレビをつけた日本人女性。

チャンネルを切り替えると、

彼女の瞳に飛び込んできたか「中継」の文字と爆風。


とはじまる。


中継を実況するように、歌詞は綴られつつも、

日本人の利己意識、本質を射抜きながら訴えかけている。


日本人の人質は、無事と、元気と、笑顔と、

リポーターは興奮交じりに伝え続けるが、

殉職した兵士については一言もふれることはない。


見知らぬ日本人の無事を祈る、喜ぶ心がある人たちが、

何故、救け出してくれた見知らぬ人には心を払うことがないのだろう。


と問いかける。


そして、

この国は危ない。

何度も同じ過ちを繰り返すだろう。

平和を望みながら、

日本と名のついていないものには冷酷でいられるのだろう。


と問いかける。


そして歌詞にある

~慌てた時に 人は正体を顕すね~


痛烈に響く。


今年初頭に起きた、ISILによる日本人拘束事件。

先週起きたパリ同時多発テロ事件。

もう傍観者でいられないはず。


なのに、

日本人の僕は、

日本人の僕の生活に飛び火しないようにと、

つぶやく心に、何も言い返せない。


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