全てのことはメッセージ | 千春、6歳。あさひ、2歳。すこやか日記

千春、6歳。あさひ、2歳。すこやか日記

今日も会いにきてくれてありがとう

「やさしさに包まれたなら きっとー

 目にうつる全てのことは メッセージー」


千春を幼稚園へ届けた帰りみち、

あさひのベビーカーを押して、

私が、歌いながら、歩いていると、

道沿いのおうちから、ふと現れたおばさんが、


「アジサイ、あげようか」


と、言った。


出しぬけなことに、驚いて見ると、庭にたくさんアジサイが咲いていて、

剪定バサミを持っている。


アジサイが、頂けるんだって!


「ありがとうございます!いいんですか?」


アジサイが本当にきれいだなあと、千春の送り迎えのみちみち、

毎日思っていたのだ。

喜ぶ私に、おばさんは、アジサイを切って、手渡してくれた。


「全てのことは メッセージー」


おばさんにお礼を言って、アジサイを片手に、

ますます浮き浮きと歩きだしてから、

私は、はたと気づいた。

そうだ、今日は、あさひの誕生日だったんだ。

そして次の瞬間に、また思った。

そうだ、昨日、1歳最後の日に、あさひは、

「いまは、あじさいだねー」

と、おしゃべりしていたのだ。

それが、2歳の誕生日の朝に、

こうしてアジサイの花束を贈られるなんて。


2歳のあさひの一年は、きっと祝福されたものになる。

私は、そう確信した。


「今日、この子の誕生日なんです」


アジサイをくれた方に、そう言えばよかったと、ちらりと思う。

朝、千春と一緒に、あまりにもバッタバタと家を出て、

幼稚園に滑り込んだ帰りみちだったから、

あさひの誕生日だということが、頭からすぽんと抜けていた。



千春が6歳、あさひが2歳になったこの一年も、

今朝のようにバッタバタと、けれど素敵な瞬間に数々恵まれて、

過ぎて行くのだろう。