捨て魔 | 千春、6歳。あさひ、2歳。すこやか日記

千春、6歳。あさひ、2歳。すこやか日記

今日も会いにきてくれてありがとう

8月末になり、急に涼しくなった。

日中でも、窓を閉めて、ちょうどいいくらい。


つい先週まで、ジリジリ照りつける日ざしに、

もう蹴り出したいような、にっくき暑さだと思っていたのに、

こう急に涼しくなると、

なんだか、人恋しいような、もの悲しいような気分になる。


人の心のいいかげんなことである。


さて、日中のこと。

私が、壁の上のエアコンを見上げ、

「エアコンも、もう、使わなそうだなぁ...」

と、つぶやくと、

横にいた千春が、

「えっ、なに?」

と、聞き返した。


「エアコン。もう涼しくなったから、使わなそうだなあ、って」


すると千春はすかさず、

「もうつかわないからって、おかあさん、すてちゃだめだからね!」

と、こわい顔で、言った。


「エアコンを?捨てないよ!」


あははと笑う。



―エアコンモ、モウ、使ワナソウダナァ...―



千春、捨て魔のおかあさんによって、

エアコンも、自分の数々の紙工作と、

同じ運命をたどるものと思ったらしい。