番外編29~疲れた夫婦~ | 千春、6歳。あさひ、2歳。すこやか日記

千春、6歳。あさひ、2歳。すこやか日記

今日も会いにきてくれてありがとう

夫の帰りが連日遅い。

私は朝から晩まで終わらない家事育児にへとへと、

むろん夫は、世の中と戦ってへとへとである。


そんなある日の晩のこと。

私が、キッチンの手元灯だけをつけた薄暗い部屋で、

米を研いでいると、

その後ろを、すーっと洗面所に向かった夫が、私に訊く。


「あさひ、あともう寝るでしょ」


私の名前は、「あさひ」ではない。


「千春、と呼ぶならまだしも、あさひって...」


私が振り向いてつぶやき、

疲れた夫婦して、へっへっと力なく笑う。



夫の帰宅が23時半になった、ある晩のことである。