高校入試はゴールではありません! | 【三原】智学館 代表兼「親のあり方セミナー」主宰平岡智彰

【三原】智学館 代表兼「親のあり方セミナー」主宰平岡智彰

2010年5月、土日限定の個別指導塾を自宅マンションを使って開校。週3回、4回と増え、2011年4月より週6回指導となりました。毎回の授業後の電話報告で「授業回数と同じ回数のお母様との会話」をさせていただいています。「生徒と親と塾」の三位一体指導がモットーです!

こんにちは!智学館です!

 

昨日と今日でウチの中3生は私立入試が終わりました。

 

お疲れさま!

 

 

 

 

 

 

 

このタイミングがいいのかどうかわかりませんが、今回のお話は、以前の公立高校入試の合格発表のときの出来事をブログに書いたものを引用しています。

 

ここまで受験に向けて真剣に取り組んだ親子は、私の経験上そんなに多くはおられませんが、この親子は特別でもなくいやこれが普通であってほしいと思っています。

 

親御さまだけでなくお子さんにも読んでいただいてください。

 

 

 

「つらすぎる現実」(平成24年3月14日)

 

公立高校入試合格発表日。

某高校を受験した生徒の合否をHPで確認。

ところが番号がない…どんなに探してもない…。

同じようにHPで確認するって言っていたその生徒の顔が浮かぶ。

私のつらさどころではないつらい心境だろうと思ったそのとき1本の電話。

「せんせー…ダメでした」

「もう私立に行く覚悟できてますから」

気丈にふるまっているが…。

「本当に申し訳ない」としか言えない私。

「そんなことないです。ありがとうございました」

 

今そのときの声を思い出すだけで涙が出てくる。

先ほど仕事中のお母さまにお詫びのメールを送りました。

 

この1年を振り返ってみると、この生徒が一番頑張ったと思います。

どの生徒もどの親御さまもそう認めてくれると思います。

なのに、なんで神様はこんないたずらをするんだろうか!?

現実は受け止めるしかないとは思うもののやはり…。

本人やご家族の心中を察すると、自分の力不足を感じる以外何もない…。

今は励ましのことばなんで陳腐な気がする。

3年後、今日つかみそこねた喜びを何十倍にも大きくしてがっしりとつかんでくれることを祈っています。

 

 

 

「さっきのブログの20分後に思わぬ展開が…」(同日)

 

キッチンでお茶を飲んでいると、いきなり「せんせー」って聞き覚えのある声が…。

さっきのブログに書いた生徒が玄関に立っていました。

「どうしても言いたいことがあるから…」って話し始めたんです。

「落ちたことはショックだけど…」

「それよりも…せんせーが…」って言ったところで泣き出したんです。

私も涙をこらえようがなく、泣きながら生徒を抱きしめていました。

「せんせーがあれだけ自分のために頑張ってくれたのに…」

「それに答えることができなかったのが…一番悔しいんです」って泣きながら話す生徒。

「そんなこと気にすんな」って私も涙涙涙…。

 

少しして落ち着いたのか笑顔になった生徒。

「私立に行って頑張ります。友達もたくさん行くし、やっぱり自分は普通科が合ってると思います」

私も涙をふきながら、先ほどのブログの最後に書いたことを伝えました。

「3年後に今日つかみそこねた喜びを何十倍何百倍にも大きくしてがっしりとつかむんやで!」

「はい!頑張ります!ありがとうございました!」と言って笑顔で帰って行きました。

 

あと1時間ほどで授業が始まります。

少しだけ心が晴れた思いです。

それにしても、175cm85kgの身体は抱きしめても手が回らなかった(笑)

 

 

 

「昨日の発表から一夜明けて…」(平成24年3月15日)

 

朝メールがありました。

 

昨日のブログ拝見しました。

それまで涙が出る気配すらなかったのに読みながら号泣でした。

あの子らしいな~と。

私に電話してきたときも最初に

「かあさん…ごめん」と言いました。

公立合格という最初の目標がいつの間にか

「みんなの期待に応えたい、喜ばせたい」に変わっていたんですね。

本人にそれを言うと

「よくわかったね~」と言うので

「十分期待に応えてくれたよ。頑張る姿が見れたから」と褒めてあげました。

普通科に行きたかった本人にとって□□高校に行けることはある意味ラッキーです。

これからの3年間の頑張りに期待しつつ静かに見守ります。

 

そしてその1時間後くらいに電話もありました。

赤ちゃんのときよりも、初めて歩いたときよりも、今の彼が一番愛おしい。

私の愛も感じてくれたと思います。

 

こんなことば、本当にこれまで受験に向けて真剣に伴走してこられたからこそ言えるんです。

 

 

 

後記です。

 

この生徒は進学した高校でさらに頑張り、定期考査は90点以上取るのが当たり前と思えるようになり、クラス順位も常にトップ3で学年順位も10位以内。

 

それはなぜだと思いますか?

 

「高校入試はゴールではない」って体感しているからです。

 

この生徒は高校入学段階でスタートラインの先頭集団にいたんです。

 

入学後はウチに通っていた中3の1年間で培った大きな土台のもと、それをアレンジしながら大きな前輪と後輪を作り出して進んでいった。

 

自分よりもはるかに高い公立高校を受験して不合格だった生徒たちがのんびりしているのをよそ眼に、次の大きな目標に向けて頑張っていますとお母さまからの途中報告もありました。

 

そしてその3年間の大きな積み重ねのもと自分が行きたい大学に進学し、今では関西の銀行に勤務しています。

 

高校受験が終わっていざ高校に通うことになれば、本当に大変な時期を迎えることになります。

 

はっきり言って、中3で受験勉強を一番頑張っていたときと同じ努力が3年間毎日続くと思っていいでしょう。

 

ですから、それまでノラリクラリやってきた連中から真っ先にこけていきます。

 

この1年の経験が高校生活を左右すると言っても過言ではありません。

 

 

 

親御さまにお願いです。

 

第一希望の入試本番まで一緒に伴走してあげてください。

 

そして結果がどうであれ「頑張る姿を見せてくれてありがとう」って自然に心から褒めてあげられるくらい真剣に向き合ってあげてください。

 

 

 

余談ですが、一昨年引っ越す2週間くらい前にこの生徒のお母さまとスーパーでばったり会い20分くらい立ち話をしてお別れをしました。

 

さらに、引っ越す前日にこの生徒本人とも当時のマンション前でばったり会いました。

 

最後の最後にこの親子と会う機会があったのも、すべてはステキなご縁が結びつけてくれたんだなって感謝しております。