仙台では地下鉄東西線・国際センター駅と仙台城址間で自動運転技術を搭載したEVバスの実証実験を行っており、一般の人も無料で乗車できるということで試しに乗ってみました。
今回のバスは中国BYD製小型バス『J6』がベースとなっていると思われます。
東北地区ではまだ未導入の車種で、名古屋ナンバーでした。
定員は25人ですが、立席を利用しないことを前提としているようで14人で満員になります。
運賃箱はありませんが、降車ボタンや吊り革があり、雰囲気は路線バスです。
電気バスではよく見かけるUSBの充電器があります。
乗ってみると音が静か…でもないかな?
EVの割には意外とモーターやインバータの音がするのでそんなに静かでもなかったです。
前に乗車したEVモータースジャパンの方が静かだったように感じます。
途中、仙臺緑彩館を経由します。
昨年7月に完成したばかりのビジターセンターで、元は伊達政宗公の重臣として有名な片倉小十郎景綱の屋敷があった場所です。
運転手の方が
『アクセルベタ踏みでもここの坂道では20km/hしか出ない』
と仰っていましたが、スペック上は最高70km/hとなっていても出力が足りていないように感じました。
今回は宮城交通の方がデータ収集のために手動で運転を行っており、マップ上にどんな障害物があるのかを検知している様子がモニターに映し出されていました。
ハンドルの切れ角やウィンカーの様子も映し出されますが、マップデータは被せていないため、背景は黒になっています。
この車両はレベル4の自動運転、つまり無人でも運転を行なえる性能を有しているそうです。
多数のカメラやレーダーに加えて、一般車両には馴染みがないLiDARが8個搭載されているのですが、お値段をちらっと聞いたところ、それだけで高級車が買えるような価格ということで庶民が手にするにはまだまだ遠い話のようです。
大手門~仙台城址は令和4年3月に発生した地震の影響で今も通行止めとなっているため、車両で通行できるのはちょっと特別な体験となります。
今回のプロジェクトは仙台市と東北大学に加えて、パシフィックコンサルタンツ、A-Drive、アイサンテクノロジー、日立製作所が協力する産学官連携となっています。
仙台城址は伊達政宗が居城とした歴史的な価値と騎馬像もあることから観光地としても魅力があるのですが、るーぷる仙台(仙台市営バス)くらいでしか最寄りまで近寄れず(しかも今は地震の影響でバスも行けない)、自家用車は駐車スペースも無いことから少し行きにくい場所となっています。
るーぷる仙台は双方向ではなく、一方向へ向かって周遊するバスですし、瑞鳳殿を経由してから仙台城址へ向かうので、一番有名な仙台城址だけを見たい方にとっては遠回りだし、すぐに仙台駅に戻りたいと思っても戻れないジレンマがあります。
最寄りの国際センター駅から歩いて行こうとなると先程も行ったような急坂なのでちょっと大変です。
そこにただバスを走らせるのではなく、自動運転のバスを走らせようというのは試みとして発想としてすごく面白いし、観光都市として魅力を高められると思います。
ただ10人も乗っていないのにバスが凄く苦しそうに坂を登っているのでもっとたくさんの人を乗せたり雪が降ったりするとどうなるのかという心配を除けば、国際センター駅周辺は仙台市中心部に比べると圧倒的に交通量は少ないので自動運転でも概ね走行にも問題は無いと思います。
この実証実験は2月17日(土)・18日(日)も行っており、時間は9時~16時で昼休みを除けば30分間隔で運行されているので、お散歩のついでに興味がある方はぜひ乗ってみてはいかがでしょうか。