『くりでん』の愛称で親しまれたくりはら田園鉄道。
1921年に開業し、
しかし、1988年に鉱山の閉山により経営は悪化、経費節減のため、
廃線後も保存運動が盛んであったため、様々な場所に跡が残されており、2017年4月には旧若柳駅にくりでんミュージアムと呼ばれる鉄道公園が整備されました。
施設は資料館や車庫、係員詰め所をはじめ、車両も多く展示されており、一部は動態保存されています。
入場すると駅名標がずらりと並んでいます。
中に入るとKD10形気動車が置かれています。
朝の通勤ラッシュ対策として1995年に名古屋鉄道から転入した車両ですが、2005年以降は定期運用がありませんでした。
訪問したのは夏ということもあって蒸し暑く、申し訳程度に扇風機が置いてありました(笑)
この車両はあまり良いものでは無かったようで揺れが激しく、乗り心地が悪かったそうです。
ところで、『くりでん』というのはくりはら田園鉄道を略した愛称ですが、元々は栗原電鉄という社名でその名の通り、電車が走行していました。
しかしながら施設の老朽化によって、1995年に電化が廃止となり、社名も変更となったものの今までの通りの愛称が使えるように配慮したものとなります。
車内には別料金となりますが、運転シミュレータがあります。
当時のままで残されているので、運賃表もあります。
JR東北本線の駅がある石越から細倉マインパーク前まではおよそ25km、当時の料金表を見ると1,020円ということで第三セクター鉄道ということもあってか結構高めの値段設定となっていました。
車両基地だったのでずらりと機械が並んでいます。
自分たちで整備・点検するのは当たり前と思ってしまいがちですが、最近は第三セクター鉄道でもJRと車両を共通化し、JRの工場で点検して貰うところが多いので、独自で頑張っていたのがよく分かります。
奥へ行くとKD95形気動車が置かれています。
こちらが電化廃止が決まった後に
3両が製造され、廃線までずっと走行を続け、転用されることなく全て現存しています。
全国のローカル線でよく見かける軽快気動車ですが、見た目には大きな特徴が1つあり、細倉鉱山をイメージしたものとして、前照灯にカンテラ型のものが使われています。
廃線前に一度乗っているので懐かしいです。
車内は床や肘掛け、手すりが木材となっていて、少しレトロなバスのような印象を受けました。
今にも動きそうなくらいには綺麗に整備されています。
ミュージアムの建物の向かい側にはKD95をはじめとしたく
週末には残った線路を使って、片道900mほどの運転体験会を予約制で行っています。
お祭りのときには乗車会も行っているということで、活動が盛んだと思います。
施設そのもののボリュームは多くありませんが、車庫内は当時のまま残されていて、保存車にも入れたり座ったりすることができるのでドライブで立ち寄ってみるのも良いでしょう。
ただし、公共交通機関の場合、アクセスは非常に不便なので、