妊活初心者の当時のあたしは、とりあえず通いやすい病院を選びました。

2017年の年明け、当時住んでいた新宿御苑の近くにあるK・Oクリニックに予約の電話を

かけると、日曜日の予約だと2月になりますと言われ、先延ばし出来ない性格上、平日に

半休を取ってクリニックの初診を受けることにしました。

 

現在はクリニック名も場所も変わり、院長も女医さんになっているようですが、当時は

台湾人のおじいちゃん先生が院長でした。

当時のホームページには、「高度不妊治療を諦めた方も、一度ご相談下さい」みたいな優しいキャッチコピーと、漢方や鍼灸についても詳細に書かれていました。

 

完全予約制のそのクリニックの待合室は本当に狭く、椅子も3つくらいしかありません。

しっかりものの受付の女性にテキパキ促され、診察室へ。

 

台湾人なまりバリバリの院長に、血液検査と内診(エコー診断)をして貰い、前々から言われていた子宮筋腫を指摘されました。今まで直径1cmくらいの筋腫が複数あるとは聞いたことはありましたが…

 

「妙義山(どこだよ、それ!)みたいなゴツゴツした子宮ですね。これは、自然妊娠は難しいですよ…」と院長。

 

いくら不妊治療専門クリニックの先生でも、そんなはっきり診断するものなの???


卵巣は程良く排卵に向けて準備しているとのこと。

しかし、反対の卵巣にも腫瘍の影が見えるとか見えないとか…(え!!!)

そして、初めてタイミングを取る日を指定されました。

つぎに排卵を活発化させると言う漢方をとりあえず2日間飲んでくださいと院長。
この漢方が1日分3,000円…びっくり
血液検査、卵巣の年齢を調べる検査(自費:7,000円)で、この日のお会計は20,000円越。

 

妊活初心者のあたしは、ただただ診断結果と値段に呆然とするしかありませんでした。

でも、気を取り直して漢方を教えて貰った通り煎じて飲みました。

 

が…、その漢方が飲めるものではありませんでした。。。

当時のクリニックのホームページに紹介されていた漢方ですが、妊活で有名な当帰芍薬散や

きゅう帰調血飲ではありません。

とりあえず温かいと匂いが凄いので、冷まして飲みました。

(後日漢方を冷まして飲んだと受付の女性に伝えると、「体温以下の温度のものを体内に入れない方が良いので、冷まさないで飲んでください!」とお叱りを受けました…)

 

院長に言われた通りにタイミングを取り、その次の日に予約取っていたので再診。

内診からはじまり、フーナー検査をしました。

院長のモニターで検査結果を見せて貰い、「旦那さんの精子は元気ですね!」と褒められました。

 

排卵までもう少しあるから、もう一日同じ漢方を飲んでくださいと言われたので、飲みにくい事を伝えると

「こんな妙義山みたいな子宮をして漢方を飲まないなんて、あとは天を拝むしかないですよ。」と院長に脅され、しぶしぶ1日分再度飲むことに…。

 

フーナー検査が5,000円、漢方1日分で、この日のお会計も10,000円越。

 

血液検査の結果が一週間後だったので、一週間後に再度クリニックに向かいました。

甲状腺、性病、その他がん検診は全てマイナス。ちょっと貧血だねと言われましたが・・・

卵巣の年齢を調べる検査(AMH)が、0.97(卵巣年齢45歳以上)でした。(38歳当時)

 

妙義山のようなゴツゴツした子宮に、低AMHの検査結果に院長はうーん…となってました。

一般的には体外受精させて受精卵を子宮に戻して妊娠させる治療が第一優先になる低AMH。
でも、私の場合はその子宮が子宮筋腫だらけで無事着床させるのも難しい状況。
例え手術して子宮筋腫を取ったとしても、少なくとも半年は傷口が治るのに時間がかかるらしく、手術したからと言って確実に妊娠できるかどうかは50%。

 

一通りの説明を受け、いつもはない出血が少しあると伝えると、すぐさま高温期を維持する薬を処方されて、「ちょっと子宮筋腫の手術が出来る病院を探してみてください」と言われ、病院を後にしました。

高温期に飲む漢方(勿論一日3,000円)を飲めと言われるかと構えてましたが、それは薦められることはありませんでした。

 

先生の話を聞いている間はぼーっとしてましたが、段々自分がショックを受けていることに気付きました。自宅に戻る前に、ボロボロ涙が溢れだしてました。

 

正直一生懸命勉強しなくても、キャリア積まなくても、妊娠なんて女性なら誰でも出来るって思ってた。

あたしの周りはみんな無計画なほど簡単に妊娠して子ども産んでるのに、なんであたしは出来ないんだろ…
今まで散々人より苦労して来て、やっと人並みの幸せを掴めたとこだったのに、なんでまた不妊症で悩まないとダメなのか…
元々子供が好きじゃないのに、体外受精までして本当に子どもが欲しいのか…
でも、今諦めたら将来後悔したり、人から「人でなし」って思われるんじゃないか…

 

色んな気持ちが込み上げてきて、整理するのに少しだけ時間がかかりましたが、

旦那さんとも相談し、「とりあえず今やれることはやろう!」と、子宮と卵巣のMRI検査を受け、体外受精専門の病院を探し出しました。

 

(2017年2月時点)