東京クルージング
愛した君は何処へ──。伊集院静の出逢いと別れが凝縮した、奇跡の物語。あのニューヨークの秋を私は忘れない。ドキュメンタリー番組で出会った三阪剛という青年に、作家の私は強く惹きつけられた。彼の依頼してきた仕事は、松井秀喜のアメリカでの活躍を私の視点で追う番組だった。二人で作り上げた番組は成功し、全ては順調だった。だが、三阪君には病魔が迫っており、さらに決して忘れることのできない女性がいたのだった。彼が一生を誓い合ったその女性は、突然、彼の許を去ったというのだ。何も言わずに、何も残さずに……。彼の死後、手紙を受け取った私は、三阪君の過去を辿り、彼女の行方を探しはじめる──。松井秀喜選手が実名で登場したので、限りなくノンフィクションに近いフィクションといったところでしょうか。前編ではお調子者な脇役にしか見えなかった三坂くんが後編ではこの上ない運命の男性として描かれ、しかもヤスコの運のなさ、ロクでもない男に絡まれ運命を翻弄される展開が少しありきたりで、個人的には尻すぼみな感じでした。。。でも、少しレトロな文章の世界観は好き。2020年257冊目。