安倍総理はよくやっていると評価できる面もあるが、考えに誤りがあることも何回か指摘した通りである。安倍総理がどのような勘違いをしているか考察してみよう。
安倍総理は、労働者増大(女性活用等)や、投資を呼び込むこと(戦略特区等)によって成長を図ろうとしている。これは一見正しいように見えることではあるが、実は間違っていて、多くの人が騙されているおそらく一番多いパターン(私が山程書いてきたこと)だ。
まず一つ目は、困窮しているのは働きが足りないからで、労働や労働者を増やすこと(効率化も同様)で解決するという思い込みである。
少子高齢化自体は間違いのない事実ではあるが、日々生活が悪化する主因がこれであるという根拠は存在しない(間接的には関与する)。そうでない根拠(生産性の高さ)はもちろんあるし、それ以外の大きな要因(レントの増大)も存在する。つまり少子高齢化は主因ではない。
2つ目は投資があれば経済が活性化して皆が豊かになるという、単純な思い込みである。
利益の目処がないところ(需要が足りないところ)に投資はやってこない。国内の失業者を雇用するような事業は、需要を増やしもする(投資が需要を改善すると考える人は、投資して生産した分だけ需要が増えると勘違いしているが、実際は生産性が上昇した分のごく一部しか上昇しない)が、外国資本にやってもらう必要など全くない。邦銀が融資をするでもよい(使われた後また邦銀に戻ってくるので国債消化が困難になることはありえない)し、国が公務員を増やすでもよい。
税金は誰かが必然以上に多く取った取り分を配分しなおす重要な方法だ。企業も税金で取られるくらいなら労働者に還元するだろう。その大事な機能を骨抜きにすることは、国の経済を歪ませることになる。
また、どこか一つの国がそんなことをすれば、資本だけ無意味に移動することにもなろう。あるべき規制のない緩い国へ、例えば労働基準法が整備されていない国、税金回避のためのタックスヘイブン等々、資本は倫理もへったくれもなく移動する(さらには移動すると脅して規制を撤廃させる)。法人税減税競争ほど馬鹿げた話はない。安倍総理は日本をタックスヘイブンにして、そのおこぼれにあずかる卑しい国にしようというのか。
海外からの投資によって失業が減り需要が改善する可能性を考えてみよう。日本はもともとの技術水準が高いので、外国からの技術導入で画期的に生産性が高まる要素は少ない。つまり配当としてもらうのに適当な利益は途上国のようには大きくならないはずである。大きな配当が出せるとしたら、低すぎる労働分配率のもと、既にある他社の利益を食っているか、その分国が借金を増やしているということだろう。そして外国資本は、配当を多く要求する傾向にもあり、またその配当は海外へ行ってしまうので国内の消費には繋がらない。同じ投資でも大きく違うことに気付かなくてはいけない。
外国の投資家の立場に立ってみれば、為替のために高い日本の労働力を使って事業するのは馬鹿げている。日本が喜ぶような形で、日本に来るメリットなどあまりないだろう。来るとすれば資本だけ移って低い税率や何らかの優遇措置等に期待といったところだろうか。これ(日本人の雇用に繋がらない)だと、円を買う動きが円高を助長するなど、デメリットの方がはるかに大きくなるだろう。脱税の抜け道作りになるから世界中の迷惑でもある。
国会で、安倍氏が間違いに気付くような質問ができる議員はいないものか。
例えば海江田氏などは、さらに騙されの度合いが強く、経済通などでは決してないし。