皆さんこんにちは。秩父のクマです。
沢山の方からコメントやアメンバー申請をいただき、本当にありがとうございます。
Web内覧会の途中ですが、今回は趣向を変えて、我が家が悩んだポイント「太陽光発電」編をお送りします
「太陽光発電」と一口に言っても、様々な設置パターンがありますので、今回のお話は、10kw.(キロワット)未満の一般住宅に設置する場合を想定してお話します
もちろん、住宅用でも10kw.以上の発電量を売りにしたハウスメーカー(イシンホームなど)もありますので、その辺は別の機会にお話しできればと思います
家づくりの中で太陽光発電を導入するかどうか?
皆さんと同じく、我が家も悩みました
秩父のクマが建てた「県民共済住宅」では、ZEHに対応しておらず、当然、ZEH補助金を見込んだ設置も不可能でした
※ZEH(ゼッチ)とは・・・Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略。 住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅を指します。
まずは、結論から先に言いたいと思います
我が家は、太陽光発電の設置を見送りました
理由は至ってシンプルで、以下の三つです
①儲からない
②予算に余裕がない
③タイミング(時期)が悪い
では、順を追って説明していきます。
①儲からない
皆さんは太陽光発電の収入の仕組みを正しく理解されているでしょうか
秩父のクマは怪しいです
ということで、簡単におさらいをしたいと思います
まず始めに、「太陽光発電の売買の仕組み」から
●発電量が10kw.未満の一般住宅では、余剰買取制度が適用されます。
※全量買取との違いは下記の図をご確認ください。
●余剰電力買取とは、発電した電力量から、家庭で使用した電力を差し引いて残った電力を売電する仕組みです。
一般的な住宅はこの余剰買取にあたります
では次に、「発電量」です
具体的な数字がないとわかりずらいので、秩父のクマ家を参考に計算します
県民共済住宅で提案された太陽光パネルの設置量は、5.3kw.(キロワット)でした
これは、我が家の南側の屋根に設置した場合です
メーカーはパナソニックの「HIT」シリーズです
5.3kw.(キロワット)のソーラーパネルを設置した場合、1か月の平均発電量はおよそ500kw.程度です。年間を通して多いときも少ないときもありますが、一年間で慣らすとこのぐらいに収まります
「太陽光発電 発電量 シミュレーション」で検索するとおおよその発電量が分かります
自宅の発電量が気になる方は、グーグル先生で検索してみてください
※全く的外れの数字は出ないので、ある程度の参考になります。
最後に、「売電価格」と「太陽光パネルの価格」です
売電価格の推移は下記の表をご確認ください
ご覧の通り、平成29年度設置分は28円/kw.です
この売電価格は契約から10年間は固定されます
これを「固定買取制度」と言います
固定買取期間終了後は、売電価格が大幅に下がることが既に決定されています
現在の予想価格は、11円/kw.と言われています
現在の売電価格では、10年間で減価償却できない場合は儲からないようになっています
この辺の話はまた後で詳しくお話します
太陽光発電を設置した場合、秩父のクマ家は29年設置分にあたるので、28円/kw.になります
では計算します
①500kw.(一か月の平均発電量)×28円/kw.(売電単価)=14,000円(一か月の売電収入)
②14,000円(一か月の売電収入)×12ヵ月=168,000円(年間売電収入)
③168,000円(年間売電収入)×10年(固定買取制度期間)=1,680,000円(10年間の売電収入)
単純に計算するとこんな感じです
つまり、1,680,000円よりも安い値段で太陽光発電を導入していれば、その分が儲け(利益)となります
補助金を適用したりすれば、更に儲かることになります
ちなみに、我が家の太陽光発電設置分における、県民共済住宅の見積り価格は1,800,000円弱でした
もちろん、11年目以降も太陽光発電は稼働し続けるわけで、売電価格を11円/kw.と想定した場合、年間で60,000円程度の収入が見込めます
20年間稼働し続け、売電価格が維持されれば合計2,280,000円の売電利益となります
売電価格が11円/kw.よりも下がらない保証はどこにもないですが
この時点では設置してもいいかなぁという気がします
ところが、太陽光発電には業者(ハウスメーカーや太陽光販売業者)が口にしない様々なデメリットが存在します
【太陽光発電のデメリット】
・パワーコンディショナーの交換費用
→→→平均して15年程度で交換が必要となります。相場は10万円~20万円程度と言われています。
・劣化(汚れなど)や故障による発電量の低下
→→→設置1年目の発電量を100%とした場合、10年後には90%前後へ低下するらしいです。年月が経過すればさらに発電量は低下します。当然、保証期間が過ぎればメンテナンス費用も発生します。
・11年目以降の対処
→→→固定買取契約が終了し、売電価格が11円前後になった場合、売電の旨味は全くありません。その頃には、発電した電気は自分の家で消費する形が主流になります。その場合、蓄電池の設置などが必要となります。(追加で100万円単位の費用が発生します)
・不要になった太陽光パネルの処分
→→→太陽光パネルって何ゴミか考えたことがありますか?20年後の屋根からの撤去や処分費用は誰が払うんでしょうか。
他にもデメリットは沢山ありますが、分かりやすいところだけにしておきたいと思います
もちろん、メリットも沢山ありますので様々なサイトを参考にしてみてください
大切なのは、メリットもデメリットも理解したうえで設置したほうが、後々後悔しなくて済むということです
②予算に余裕がない
家を建てる際に、予算に余裕があればいいですが、予算ギリギリの場合、真っ先にカットされるのがこの太陽光発電です
ただし、儲かることが確定していていれば秩父のクマ家も設置したと思います
売電価格が33円/kw.(平成27年度契約価格)であれば間違いなく設置していました
③タイミング(時期)が悪い
太陽光パネルやパワーコンディショナーは年々進化し続けています
5年前に設置された太陽光パネルと現在の製品では、発電の変換効率は雲泥の差です
それでも、最高で20%台ですが…
ちなみに、5年前にはこれ以上変換効率は上がらないと言われていました
技術の進歩とは凄いものです
10年後に、この変換効率が何%まで上がっているか想像してみてください
詳しくは下記の画像をご参照ください。
現在は、太陽光発電産業の過渡期にあたり、業者もどんどん潰れています
元々は政府が用意した補助金ありきの産業だった為、当たり前と言えば当たり前ですが
補助金の主体はZEHに移行し今度は、自家消費という志向に切り替わってきました
流れはこんな感じです。
①補助金の導入による太陽光発電の普及促進(自然エネルギーの普及を目的とした…)
②第一段階の普及促進が終了(補助金の打ち切り)
③補助金の終了に伴い、電力会社の買取価格が下落(2022年にFIT制度導入10年)
④各家庭での自家消費へと移行(ZEHによる蓄電池などの普及促進)←←←イマココ!
⑤住宅用電力は自家発電でまかなうように(10年後の理想)
実際にはここまで上手くいくとは思いませんが、間違いなく太陽光パネルやパワーコンディショナー、蓄電池の進化は止まらないはずです
これを鑑みた際に、10年後以降のリフォームの際に設置すればいいのではないかと思うようになりました
その頃には、変換効率も大幅に上がっています
蓄電池も、24時間以上の連続使用に、余裕で耐えられるぐらいの容量を兼ね備えたものが開発されているでしょう
今は少ないですが、窓自体で発電できるタイプや、屋根自体で発電するタイプなどが普及しているはずです
こういった技術を既に実用化しているハウスメーカーもあります
様々なことを想定し検討した結果、我が家は太陽光発電は設置しませんでした
ハッキリと言えることは、
5年前なら間違いなく設置していました。
ということです。
正直なところ、今は設置する旨味が少ないです
以上、我が家が悩んだポイント「太陽光発電」編でした
太陽光発電は奥が深いので、ざっくりとした簡単な説明に終始しましたが、詳しく知りたいという方はご自身で色々とググってみてください
ただし、あまり触れないほうがいいですよ「太陽光発電という闇には…」
今回は「太陽光発電」のお話でしたが、他にも記事にしていないことが沢山ありますので、少しづつ記事にしていきたいと思います
といったところで本日はここまで。
長文お読みいただきましてありがとうございました。