「春よ」来い | チビたんの家

チビたんの家

保護したチビたちは、にゃんこ9匹、わんこ2匹の総勢11匹とお世話がかりの私たち夫婦。虹を渡った子たちは4匹で、自分達が虹を渡るときに再会を楽しみにしていて、日々どたばた暮らしています。チビたちのお母さんは北海道の出身で、お父さんは生まれも育ちもほぼ東京下町。

北国の春の訪れは遅く、4月になっても雪がちらつく日もありました。軒下や日陰には雪が残っていて、春を待ち遠しく思いながら過ごしました。

「雪割」をご存知でしょうか。暖かくなって柔らかくなってきた雪や氷と化した雪解け水など、溶けやすくするためスコップや鶴嘴(ツルハシ)で割る作業です。

私のいた施設では春先に、宿舎の周りの雪割を行っていました。そんなときに蕗の薹を見つけると、誰かが「天ぷらにすると美味しいのよ」というのですが、施設で生活していた私には、蕗の薹の天ぷらを食べる機会がありませんでした。

 

5月になると、一気に春がやってきます。たんぽぽ、水仙、桜、梅などが咲き乱れます。桜は関東地方で見かけるソメイヨシノと違い、蝦夷山桜といって濃い桃色で、まとまってぼんぼりのように咲きます。桜の開花が始まると、紅葉のときとは逆さまで、山の麓から山頂に向かって、桃色に染まっていくのを見ることができます。

発寒川という川は、山桜の並木があって、そこを歩いたことがありますが、息を呑むほど綺麗でした。

 

命を吹き返えすように花が咲く北国の春は、心躍る景色を見ることができます。木々の新芽の優しい緑が、足元に柔らかい日影を作り、春の訪れを伝えてくれます。