ドキドキしながら2階に上がり、それでも平静を装って



「2階に来たよ。どうしたの?」



と聞きました。




「実は昨日の夜から目の調子が悪かったんだよね」




「目?」




「うん…。それで、今朝会社に出勤してから病院に行ったんだけど、




脳から出血してるって言われたんだよね…」




「え………?」




脳から出血って、脳出血ってことだよね?

脳出血って死ぬんじゃないの?

ついこの前だって芸能人の人が脳出血で亡くなったってニュース見たし…

でも普通に電話してるけど、ほんとに脳出血なの?

え?なんで?どうして?




もう頭の中はパニック状態でした。




「それで、今から入院することになったんだ。だから明日もちろん空港まで迎えに行けないし、帰ってきてからも俺は入院してるからいろいろと不便かけると思うけど…」




「迎えとかはどうでもいいんだけど、私たちも今から帰った方がいいよね?」




「いや、それは大丈夫。予定通り明日帰ってきてくれたらいいから」




「明日でいいの?」




「うん、大丈夫。またいろいろと詳細わかったら電話するから」




最初の一報はこんな感じでした。




どうしたら良いのかわからず、呆然としながら両親に報告。




両親も絶句していました…




そのあと30分くらいして、また夫から電話がありました。


・入院する病院の名前

・とりあえず命に別状はないこと

・広島の義両親に連絡をしたところ、義父が今から空港に向かって駆けつけるとのこと



このような話をして電話を切りました。




すぐ義両親に電話。




義父が荷造りをしている最中でした。




義母は膝が痛くてスタスタ歩けなく、急いでいる時に足手まといになりそうなので、留守番するとのこと。




私たちが札幌に帰省中で明日帰るのは知っているので、



義父「子供たちがいたらそんなにすぐに動けって言われたって無理だろうから、大丈夫。今日はワシが行くから、明日帰ってきていいから」



と言ってくれました。




電話のあとしばらく考えましたが、



夫が脳出血で入院して苦しんでいるのに、今日1日何もできずに実家で心配しながらソワソワ過ごすなんて無理!




1日でも1時間でも1分でも早く夫の元へ行ってあげたい!




やっぱり今日帰ろう!




そう決めたのが夫の最初の一報から1時間くらいあとの12時半頃。




そこからエアドゥーのお客様センターに電話して、今日のチケットの予約と、明日のチケットの払い戻しの手続きをしました。




夏休みの繁忙期だったけど、なんとか3人横並びの席を確保できました。




夫に今日帰る旨ラインすると、


「ありがとう、とても心強いです」


と言ってくれて、あぁやっぱり帰ることにしてよかった、と思いました。




朝から翌日のために荷造りをしていたのが功を奏し、私は急いで残りの荷造り。




両親と子供たちにはコンビニに行ってもらってお昼ご飯を買ってきてもらいました。




大好きなセーコマのホットシェフの明太マヨおにぎりを買ってきてもらいましたが、胃が全く受け付けない…




それでも母が「食べられないのはわかるけど、食べないと倒れちゃうから頑張って食べなさい」と言ってくれて、味も何もわからないけど、口の中に押し込みました。




14時半に父の運転で家を出て新千歳空港に向かい、16時の飛行機で帰りました。




空港では、上の子はパパの心配と、1年に1回しか会えないじじばばとの別れが悲しくてシクシク泣き…




下の子は、じじばばに「泣かないでしっかりパパの代わりをするんだよ」と言われて、「オレは泣かない!」と涙を堪えて言っていました。




両親は娘婿のことも心配してましたが、私のこれからの不安や苦労を思って、母は最後別れる時には涙していました。