新しい院を作るかもしれません。まだまだまだまだ検討段階ですが。作る場合でも、パックにして不動産つながりの工務店さんにおまかせで、ほいほいほいでリフォームしまえば楽なのでしょうけど、そういう性格でもありません。さて。

 

パソコンの前のコルクボードに、ずっと貼ってあったカードがあります。ぬくもりのある木の家写真と茶色いペン画の似顔絵のついた、やしろ設計事務所のカードです。

 

一年以上前に家族で散歩中、うちのすぐ近くで、たまたまふらっと、建築士さんのグループでそれぞれの作風を紹介するような、そんなイベントに出会いました。10名くらいの建築士さんの実績の、きれいな模型や写真が並んでいましたが、私たちが気になったのは、やしろさんのものだけでした。その作品は、風土に根ざした素材でつくる安心で心地よい木の家を紹介する雑誌「チルチンびと」にも大きく紹介されているようです。具体的なつもりのないわたしたちの漠然としたお話を丁寧に聞いてくれました。夫は私たちの共通の友人に似ている、と、私たちの中ではあだ名までつけてしまいました。

 

さて現在、もっとリフォームのことを知らねばちっとも実現には近づかないと、考えあぐねて、ネットからいろいろ学ぶ中、やしろさんのHPも開いてみました。

そこにある言葉は、コピーライターではなく、ご本人が一文字一文字を考えぬいて打ったと感じられ、そうそう、とうなづく事ばかり。

 

住む人の立場にたった、30年経っても満足でいられる家づくり

安全に安心して健康的な生活が送れる、住み手に合った住み手のための家etc

 

この人のお話をもっと聞きたい、そう思ったらば、家づくりのための勉強会をされているではないですか。建築士にリフォームをお願いするのは予算的に絶望な私たちですが、「しっかり勉強して、自分たちにあった家を手に入れてほしい」という思いの相談会であるということで、甘えてお時間をとってもらってしまいました。

 

ご自身が設計された、奥様の経営されているカフェ「まやんち」で

お会いすることができました。その空間は、デザイナーものにありがちな、入った瞬間に「すてきー」と声をあげるような場所ではないのです。清潔で整っていて無駄なものがなく、すっと迎えいれられた心地がします。いくら座っていもずっとおちつくことができる、そんな場所でした。
 

やしろさんは、私たちの質問に、誠実に答えてくださいました。

 

「僕はどうしても心配しちゃうんですよね」といわれながら、長期にわたるビジョンをもって、さまざまなことを細かく説明してくださいました。優しい心配性という、ご自分の特性をお仕事にフルに生かされているご様子でした。

 

自分がすでに引き受けたクライアントに対するかのような真剣な御対応。けっして安請け合いはしない、自分の能力がちゃんと使ってもらえるような仕事をするという姿勢。

 

家の事も、大変勉強になりましたが、私は、もっと多くのものを頂いてしまいました。

 

自分の利益のためでなく、目の前にいる人が、幸せな暮らしができるように、自分の培ってきた知識、判断力を惜しみなく注いでいただきました。建築を、家を通して、人間を愛しておられるのでしょう。

 

わたしも、この方の様に、鍼灸を通して人を愛したい。

一級建築士ならぬ一級鍼灸師でありたいという気持ちを、改めて抱くことができました。

 

ありがとうございました。

 

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世界の産地から集めたお茶と 

店内キッチン自家製のお菓子の
隠れ家ティールーム


まやんち


「家は、一世一代の大きな買い物ですし、とても長く使います。
しっかり勉強して、自分たちにあった家を手に入れてほしい」と、
毎回一組限定の、勉強会・相談会を開催されています。

一級建築士事務所 やしろ設計室