私の修業時代 第91話 シェフから呼び出し
〜今までのあらすじ〜
大分の水産高校を卒業した私は横浜の調理師学校に入学。昼間は料理を学びながら夜は横浜駅ビル内のスペイン料理店でコックとしてアルバイトをスタート。調理学校やバイト先では仲間ができて少しづつ生活に慣れていきました。
調理師学校を卒業してサテライトホテル横浜に入社。ここでもいろんな事件をやらかしながらいろんな人と出会う。
サテライトホテル退社後は東京銀座にある高級フランス料理店銀座レカンのケーキ部門に入社。
その後1991年、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの開業に合わせて銀座レカンを退社してインターコンチネンタルホテルへ転職。
ヨコハマグランドインターコンチネンタルではケーキ作り全般、レストランやウェディングのデザート、コンテストやチョコレートなどを幅広く学び数年が経過していました。
〜シェフからの呼び出し〜
インターコンチネンタルホテル(以下略してインターコンチ)で働き出して数年が過ぎ、充実した日々を過ごしていました。
しかし、そろそろ次のステップアップを考え動きはじめていました。独立や更に違う環境で自分を試したいと思う時期を迎えていました。
インターコンチでの生活は安定していました。が、その安定で平和な日々がまた悩ましかったり。
インターコンチで一緒に働いていた原田氏は自家焙煎珈琲店を開業。そこで仕事帰りにコーヒーを飲むのが日課になり、日々自分と戦ってる原田氏を羨ましく感じていました。
「トミちゃん、次どうするの!?」原田氏は悶々としてる私の胸の内が分かるのか、将来の事を心配してくれます。
私も原田氏に感化され急速に独立について考えるようになり新しい事にチャレンジしていました。
ホテルでは開業当初は残業に次ぐ残業の忙しさでした。が、ここ数年はやけに残業などにうるさくなって定時で終わる事が多く、ちょっと暇を持て余していました。。
そんなある日
ペストリー総責任者の森エグゼクティブシェフから声がかかりました。
『富ちゃん!ちょっといいか、、。』森シェフからシェフルームに呼ばれました。
森シェフからいつも飲みに誘われてるけど、毎回断ってるから堪忍袋の緒が切れたかな!?
いつも関口さんが森シェフに付き合ってくれ、私は帰って良いよと言ってくれる関さんに甘えてばかりだし、、たまには森シェフに付き合った方がイイかなとちょっと反省です。。
森シェフの隣にいる内藤セカンドチーフの顔を見ると、、全てわかっている様な顔をしています。。
そして
森シェフからのお話しは、、
…次回に続く
森シェフは昨年鬼籍に入られました
シェトミタカが27年前にオープンした時、チラシをインターコンチのペストリーキッチンに貼って『富の野郎、俺に挨拶に来ねえなぁっ笑』っていつも話してたと後輩から聞いていました。
〜森シェフお疲れ様でした〜
そして御指導ありがとうございました。