御節料理 構成 内容
御節料理の基本というのは、祝い肴三種(三つ肴(みつざかな)、口取り(くちとり))、煮しめ、酢の物、焼き物である。地方により構成は異なる。三つ肴の内容は関東では黒豆、数の子、ごまめ(田作り)の3種、関西では黒豆、数の子、たたきごぼうの3種である。
一つ一つの料理は、火を通したり干したり、あるいは酢に漬けたり、味を濃くしたりするなど、日持ちする物が多い。これは歳神を迎えて共に食事を行う正月の火を聖なるものとして捉え、神と共食する雑煮をつくるほかは火を使う煮炊きをできるだけ避けるべきという風習に基づく。家事から女性を解放するためという要素があるとみる説もある。
また、関西には「睨み鯛」といって正月三が日の間は箸をつけない尾頭つきの鯛を焼いたものを重詰めする風習がある。
現在では、食品の保存技術も進んだため、生ものや珍味のほか、中華料理、西洋料理など多種多様な料理を重箱に詰めて供することも多い。マリネなどのオードブル、ローストビーフや牛肉の八幡巻(やわたまき)などの肉料理、寿司などが企業や生活情報サイトなどでレシピとして提案されている。
御節料理は家庭で作る以外に、店頭渡しまたは宅配サービスを前提とした予約で、食料品店、百貨店、料亭、インターネット上の店舗などが販売し、買い求める人々も増えている。
御節料理として組み合わせる料理の単品販売、一人で食べる「お一人様おせち」、パフェ風おせち、さらにはペットとして飼われている犬向け等へと多様化が進んでいる。