益救神社 岳参り(たけまいり)

 


屋久島では、春秋の彼岸になると、村落ごとに若者を中心とした一団が御岳に登山し、シャクナゲ(石楠花、石南花)の枝を土産として里に持って帰る風習がある。



村落ごとに登る山は違うが、いずれにせよ島中心部の標高1,800mを越える山岳地帯へ行くには2~3日を要するため、代表者が山へ登った。留守の者達は前岳(自分の村落から見上げる山)まで登って代表の者たちを出迎えるか、詣所(もいしょ)と言う揺拝所に出迎え、そこで神霊ののったシャクナゲの枝を貰い、各家の床の間に飾った。しかし昭和も終わり頃になると、自然保護の観点からシャクナゲを持ち帰ることは廃れていった。