国之常立神(くにのとこたちのかみ)
国之常立神(くにのとこたちのかみ)は、日本神話に登場する神である。日本神話の根源神として一部神道・新宗教で重要視されている。『日本書紀』においては、初めての神とされる。
『古事記』では国之常立神、『日本書紀』では国常立尊(くにのとこたちのみこと)と表記されている。別名、国底立尊(くにのそこたちのみこと)。神名の「クニノトコタチ」は、日本の国土の床(とこ、土台、大地)の出現を表すとする説など諸説ある。
天地開闢(てんちかいびゃく)の際に出現した神である。『日本書紀』本文では、国常立尊を最初に現れた神としており、「純男(陽気のみを受けて生まれた神で、全く陰気を受けない純粋な男性)」の神であると記している。他の一書においても、最初か2番目に現れた神となっている。『古事記』においては神世七代の最初に現れた神で、別天津神(ことあまつかみ)の最後の天之常立神(あめのとこたちのかみ)と対を為し、独神(ひとりがみ。性別のない神)であり、姿を現さなかったと記される。『記紀』ともに、それ以降の具体的な説話はない。
伊勢神道では天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、豊受大神(とようけおおかみ)とともに根源神とし、その影響を受けている吉田神道では、国之常立神を天之御中主神と同一神とし、大元尊神(だいげんそんしん。宇宙の根源の神)に位置附けた。その流れを汲む教派神道諸派でも国之常立神を重要な神としている。