常世 古神道・結界と禁足地

 


古神道の依り代(よりしろ)とされる巨石・霊石や神木(しんぼく)鎮守の森などは、の依り代であると同時に、神籬(ひもろぎ)の「籬」(ませ)は「垣」であり磐座(いわくら)は「磐境」(いわさか)ともいい、それぞれ「端境」(はざかい)を示している。



その境界の先は神域と考えられ、常世のことであり、沖の島などは(やしろ)や鎮守の森だけでなく、全体が神域となっていて禁足地である。鎮守の森や神社の広葉常緑樹の垣は、その常世との端境であると同時に結界でもあり、現世と常世の様々なものが簡単に行き来し、禍や厄災を招かないようにしていて、禁足地になっている場所も多い。



集落に繋がる道のに、石造の道祖神地蔵があるのは、道すがらや旅の安全の祈願祈念だけでなく、常世との端境にある結界の意味を持つ。



常夜という意味から、夕刻などのの端境も常世と繋がると考えられ、「逢う魔時(おうまがとき)といわれ、深夜なども深い静寂な夜は、常世と重なることから、現実には存在しない怪異のものが現れる時刻を、「丑三つ時」と呼び恐れた。