スサノオ 神話での記述 ②
建速須佐之男命は、櫛名田比売の姿形を歯の多い櫛に変えて髪に挿し、八俣遠呂智を退治する。そして八俣遠呂智の尾から出てきた草那芸之大刀(くさなぎのたち、紀・草薙剣)を天照御大神に献上し、それが古代天皇の権威たる三種の神器の一つとなる(現在は、愛知県名古屋市の熱田神宮の御神体となっている)。その後、櫛から元に戻した櫛名田比売を妻として、出雲の根之堅洲国にある須賀(すが)の地(中国・山陰地方にある島根県安来市)へ行きそこに留まった。
そこで、
夜句茂多菟 伊弩毛夜覇餓岐 菟磨語昧爾 夜覇餓枳都倶盧 贈廼夜覇餓岐廻(日本書紀)
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を
やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを(読み:ふりがな)
と詠んだ。これは日本初の和歌とされる。
また、ここから「八雲」(やくも)は出雲を象徴する言葉ともなった。 櫛名田比売との間に八島士奴美神(やしまじぬしのかみ)を産んでおり、その子孫に大国主命がいる(『日本書紀』では大已貴神(おおあなむちのかみ)で『古事記』では大国主命は彼の6代後の子孫としている)。
また、神大市比売(かむおおいちひめ)を娶って大年神と宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を産んでいる。