御塩殿神社(みしおどのじんじゃ)

 


御塩殿神社(みしおどのじんじゃ)は三重県伊勢市 二見町(ふたみちょう)(しょう)にある内宮(皇大神宮)所管社で、神事に欠かせない堅塩(かたしお)を作る施設を備えている。御塩殿の読みは神宮では「みしおどの」であるが、二見町では「みしおでん」と呼ぶ。

 

 



御塩殿神社は、伊勢神宮神饌として神事に使う堅塩を作る設備を備えた神社である。所在地は三重県伊勢市二見町 大字 荘、面積は27,785m2である。「荘」の地名は平安時代に神宮により開拓された二見庄に由来する。古くは社殿を持たず、堅塩を焼き固める作業を行う施設である御塩殿の中に祀られていた。



御塩殿神社の境外の二見町西に塩田の御塩浜(みしおはま)、境内に御塩汲入所(みしおくみいれしょ)御塩焼所(みしおやきしょ)御塩御倉(みしおのみくら)御塩殿(みしおどの/みしおでん)があり、境内の施設では荘の住民の奉仕により製塩が行なわれる。



御塩殿神社は内宮所管社であるが、外宮で用いられる堅塩も御塩殿神社から供給される。内宮へ神饌を納める立場とされる外宮が供給される立場になった理由として、堅田神社(かただじんじゃ)との混同があったとする説がある。



かつては現在の伊勢市二見町から伊勢市 大湊町(おおみなとちょう)にかけての伊勢湾沿岸で製塩が盛んであったが、瀬戸内海を中心に入浜式塩田が広まってからは衰退し、この一帯の塩田は御塩浜のみとなった。



神宮の神事に用いる神饌などを調進する施設を御料地(ごりょうち)と呼ぶ。神社とされる御料地は御塩殿神社の他に絹布を調進する神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)と麻布を調進する神麻続機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)の両機殿(りょうはたどの)が、いずれも松阪市にある。