タカミムスビ 系譜
天照大神(あまてらすおおみかみ)の御子神・天忍穂耳尊(あめのおしほほみ)が、高御産巣日神の娘である栲幡千千姫命(たくはたちぢひめ)と結婚して生まれたのが天孫邇邇藝命(ににぎ)である。このことから高御産巣日神は天孫邇邇芸命の外祖父に相当する。
天津国玉神(あまつくにたま)の子である天若日子(あめのわかひこ)が、天孫降臨に先立って降ったが復命せず、問責の使者・雉(きぎし)の鳴女(なきめ)が参るとこれを矢で射殺する。その矢は高御産巣日神の元まで届き、彼がその矢を射かえすと、矢は天若日子を討ったという。
一方『古事記』では、即位前の神武天皇が熊野から大和に侵攻する場面で神武天皇を助けた高倉下(たかくらじ)の夢に高御産巣日神が登場する。高御産巣日神は天照大神(あまてらすおおみかみ)より優位に立って天孫降臨を司令する。このことから、高御産巣日神が本来の皇祖神だとする説がある。
高御産巣日神は意支都久振為命(おきつくしいのみこと)を産み、命が卑都久振為命(へつくしいのみこと)を産み、同神が沼河比売(ぬなかわひめ)を産んだとされる説がある。