伊香保神社 歴史

 


現在の温泉街内の伊香保神社の由緒では825年天長2年)の創建。旧本社とされる三宮神社は750年(天平勝宝2年)創祀。



六国史初出は『続日本後紀835年承和2年)9月辛未条で、名神に列している。同6年6月甲申に従五位下となり、以後昇階して880年元慶4年)5月25日に赤城神社(あかぎじんじゃ)と並ぶ従四位上となった。



延喜式では名神大社。「上野国交替実録帳」では正一位。上野国三宮。しかし後援豪族が衰退したらしく、中世以後は社勢衰微した。



尾崎喜左雄(おざき きさお)「伊香保神社の研究」によると、当初の山岳信仰時代には現在地に鎮座しておらず、里宮として今の三宮神社の地に伊香保神社はあったという。また豪族・有馬氏(阿利真公。ありまのきみ)が祭祀を行い、若伊香保神社(わかいかほじんじゃ)のある渋川市有馬に最初は鎮座していたともいう。



少なくとも平安以降に伊香保温泉街へ移転し、温の守護神となった。近世に入ると社号を「温泉神社」(おんせんじんじゃ)と称した。別当寺寛永年間創建の温泉寺(おんせんじ)



1873年明治6年)、社号を「伊香保神社」に戻した。同年9月19日には県社兼郷社となる。



社殿については、1878年(明治11年)3月火事により全焼したため、同時に消失していた摂社の温泉神社(もと医王寺(いおうじ)の薬師堂)を1884年(明治17年)合祀してその跡地に現社殿(仮宮)を再建、現在に至る。