松尾大社 境内 亀の井
大社の社殿背後には、「亀の井(かめのい)」と称される松尾山からの湧水の泉がある。この亀の井の水を酒に混ぜると腐敗しないといい、醸造家がこれを持ち帰って混ぜるという風習が現在も残っている。松尾大社が酒の神として信仰されるのはこの亀の井に由来するもので、その信仰により全国に創立された松尾神の分社は1,280社にも及ぶという。
「亀の井」の名称は、松尾大社の神使が亀であることに由来するとされる。神社文書によれば、松尾神は大堰川(おおいがわ)を遡り丹波地方を開拓するにあたって急流では鯉に、緩流では亀に乗ったといい、この伝承により鯉と亀が神使とされたとされる。