黄泉 異説:地上の特定地域説
黄泉国は地下ではなく地上にあったという説。
死者の世界が地下にあるということは、漢語の黄泉の意味から来たことであり、本来の日本の考えに即さない。黄泉国とは出雲地方のことである。該当地は早期ながら規模の大きな方形の古墳群が近隣に存在し(安来市造山古墳(つくりやまこふん))、素環頭大刀(そかんとうのたち)などのような天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を髣髴させる鉄刀なども出土している。しかし上代(じょうだい)特殊仮名遣いでは夜見のヨもミも甲類であり、黄泉のヨミが乙類であるのと矛盾するため、「夜見町」の「夜見」が奈良時代まで遡る古いものだとした場合にはこの地名は「黄泉国」の語源とは無関係である。