延喜格（えんぎきゃく）

延喜格（えんぎきゃく）

延喜格（えんぎきゃく）は、平安時代の延喜（えんぎ）7年（907年）11月に完成し、翌年12月の宣旨（せんじ）によって施行された格。

醍醐天皇の命により編纂され、貞観11年（869年）から延喜7年（907年）までの詔勅・太政官符のうち重要なものを取捨選択して各省毎に配列した。当初は全10巻であったが、臨時格2巻が追加され全12巻となった。

編纂者を直接示す記録は無いが、臨時格を追加したときに編纂に関与した者として左大臣 藤原時平（ときひら）の名が総裁としてあげられ、ほかに藤原定国（さだくに。大納言・右近衛大将）・三善清行（みよしの きよゆき／きよつら・文章博士（もんじょうはかせ））・大蔵春行（民部大輔）・藤原善経（明法博士）の名もあげられており、「延喜格」の編纂者もほぼ同じ人員構成であったと考えられている。

編纂に当たっては「弘仁格」「貞観格」に既出のもの、当時廃止されていたものは掲載せず、文章が長いものは削り、以前の格で内容が不十分・不明確であったものは加筆訂正し、行われていない部分は削除するなどの修正が施されている。

「延喜格」の原文は現存しないが、『類聚三代格』や惟宗允亮（これむねの ただすけ）の『政事要略』に多くが引用されており、その相当部分の内容を知る事が出来る。