三種薫習(さんしゅくんじゅう)


1 名言薫習(みょうごんくんじゅう):


名は名字、言は言説。名字言説の識を分別する。つまり、第六意識が、第七識第八種子識に伝送薫習して、染分の相を成就するから。



2 色識薫習(しきしきくんじゅう)


色は眼根に対する諸色である。この諸色によって眼根を引生するのを色識という。この場合、分別すなわち第六意識また第七識第八種子の識に伝送薫習して、染分の相が成就するから。



3 煩悩薫習(ぼんのうくんじゅう)


貪瞋邪険(とんじんじゃけん)などの煩悩。この煩悩は第六意識が起すものであり、また第七識が第八種子識に伝送薫習して染分の相を成就するから。




以上が唯識の薫習説のあらましである。このような熏習が可能であるためには所熏と能熏とに、それぞれ一定の条件がなければならないので、それぞれ四つの条件をあげる。すなわち所熏の四義と能熏の四義である。