成就(じょうじゅ、じょうじゅう)


成就(じょうじゅ、じょうじゅう)とは、物事が成功、達成したり、願い事が叶うことをいう。古くは「じょうじゅう」とも発音された。大願成就、満願成就、悲願成就のような使い方をされる。

近年では「恋愛成就」「学業成就」のように世俗にて日常用語として普遍的に使われることが多いが、本来は仏教用語であった。仏教では成就は身に備えているという意味であり、智(ち)徳(とく)を完璧に備えた状態を意味する。


倶舎論(くしゃろん)には、こう記されている。には二種有り。その一つは今正に得んとするもの、これを「獲」とする。獲終わり、それを維持継続すること、これ即ち「成就」である。


成就には完成の意味もある。例えば「成就文」という経文は阿弥陀仏が本願を達成、成就し書かれたものである。一切の衆生救済し、とならんことを成就させる力を「成就衆生力」と呼ぶ。


また、この意味にちなみ「成就院」の名の付く寺院が多く見受けられる。