パーリ仏典
パーリ仏典(パーリ語仏典、パーリ聖典、Pali Canon)、あるいはパーリ三蔵(Tipitaka, ティピタカ、「三蔵」(さんぞう)のパーリ語表現)は、南伝の上座部仏教に伝わるパーリ語で書かれた仏典である。北伝の大乗仏教に伝わる漢語・チベット語の仏典と並ぶ三大仏典群の1つ。
パーリ経典(パーリ語経典)とも呼ばれることがあるが、「経典」(sutta, sutra)は通常、仏教においては「三蔵」の内の「経蔵」(sutta pitaka, sutra pitaka)典籍を意味する語なので、これだと「仏典」よりも狭い限定的な意味のニュアンスを持った表現となる。(ただし、パーリ律の戒律解説部分を「経分別」(Sutta-vibhanga)と呼ぶことからも分かるように、三蔵が整備される前の古い段階では、律も含めた典籍全般を「経」(sutta)と呼んでいたとも考えられる。)
日本でも戦前に輸入・翻訳され、漢訳大蔵経(だいぞうきょう。北伝大蔵経)、チベット大蔵経に対して、『南伝大蔵経』『パーリ大蔵経』(パーリ語大蔵経)などとしても知られる。