極楽の住人
この世界では仏の無量寿(無量寿仏。阿弥陀仏のこと。阿弥陀仏の寿命が無量であるところから)、無量光(阿弥陀仏のこと)と同じく、一切の人々もまた無量寿、無量光であり、智慧と慈悲とにきわまりがない。常に法楽をうけ、諸仏を供養し、出でては苦の衆生を救済し、化益(けやく。人を教え導き、利益(りやく)を与えること)をすることができるのである。しかも、この国土は法性の理に応ずる無為涅槃界(むいねはんかい)であり、一切の衆生を導き救うために仏によって構えられた世界であると説かれている。
阿弥陀如来が法蔵菩薩であった時に立てた四十八願の一つ「女人往生の願」により、極楽浄土に女性が生まれることはない。ただし天女(アプサラス)はいる。『法華経』サンスクリット本の観世音菩薩普門品によると、極楽浄土では性交が行われない代わりに、蓮華の胎(たい)に子供が宿って誕生するという。