桃の節句とは?

 

3月3日は桃の節句ですね。

一般的には女の子の成長を祝う日

とされていますが、

実はそれだけではありません。

 

桃の節句には

古神道的な深い意味があるのです。

 

私は現在「八百ヒーラー養成講座」

を開催しており、

日々その資料を作っています。

 

この講座では、

日本が古くから大切にしてきたものや術を学びながら、

私たち自身の力をどのように発揮するのか、

霊性を取り戻す方法についても探求しています。

 

次回の講座のテーマは「清め」。

この「清め」を深めていく中で、

3月3日の桃の節句が持つ

特別な意味に気づいたので、

今日はそのお話をしていきます。

 

 

3月3日が持つスピリチュアルな意味

 

3月3日は、

単なる女の子の成長を祝う日ではなく、

古神道において非常に重要な日とされています。

 

「三」が重なるこの日は、

強い霊的な意味を持ち、

生命力や繁栄の象徴とされる

「桃」と深い関わりがあります。

 

日本の神話において、

桃は特別な力を持つ果物とされており、

邪気を払い、生命力を高める力がある

と伝えられています。

 

この神聖な桃の力を知るために、

古事記に記された神話を紐解いてみましょう。

 

 

古事記に見る「桃」の浄化の力

 

古事記には、黄泉の国から戻る

イザナギの神話が描かれています。

 

イザナギは、亡き妻イザナミを追って

黄泉の国へ行きますが、

変わり果てたイザナミの姿を見て恐れをなし、

逃げ帰ります。

 

怒ったイザナミは黄泉の鬼を差し向けますが、

イザナギはその鬼たちを退けるために

桃の実を投げつけます。

 

桃は強力な浄化力を持ち、

邪悪な存在を祓う力がある

と考えられていたのです。

 

「桃」は「百(もも)」と書き、

無限のエネルギーを象徴しています。

これは、女性が持つ生命力や創造力、

繁栄のエネルギーともつながっているのです。

 

さらに、古事記の中では、

桃が神の加護を象徴する場面が

いくつか登場します。

 

例えば、桃を使って

黄泉の国の追手を撃退する

イザナギの行為は、

単なる偶然ではなく、

桃に宿る浄化と生命の再生の力

を象徴しています。

 

これは古代から桃が「魔除け」

として特別視されてきた背景とも一致します。

 

 

桃守りの伝統と神社

 

古くから日本では、

「桃守り」と呼ばれる風習がありました。

 

これは、

桃の木や実をお守りとして持つことで、

霊的な浄化や魔除けの力を得るというものです。

 

京都の丹波にある「真神社」では、

桃祭りが行われ、特別な「桃守り」を

手に入れることができます。

 

この神社では、

参拝者が「マナイの水」と呼ばれる

神聖な水で清める儀式が行われており、

古神道の浄化の伝統が今も息づいています。

 

また、桃守りは単なる魔除けにとどまらず、

繁栄や長寿を願うシンボル

ともされてきました。

 

桃が「長寿の果実」とも呼ばれるのは、

中国の道教の影響もあり、

日本でも不老不死の象徴として

尊ばれていたのです。

 

 

雛人形のスピリチュアルな意味

 

桃の節句に飾る雛人形も、

ただの飾りではありません。

 

雛人形は「依り代(よりしろ)」とされ、

神聖なエネルギーを宿すものとして

考えられています。

 

神道において、

神様が宿る器を作るという考え方は

広く見られます。

 

雛人形もその一つで、

女の子を守護する存在としての役割を

持っているのです。

 

また、かつては3月3日に

「形代(かたしろ)」と呼ばれる

紙の人形を水に流し、

穢れを払う儀式が行われていました。

 

雛人形は、一年の厄を

代わりに引き受けてくれるともされており、

節句が終わったら速やかに片付けることが

推奨されています。

 

これは、厄を長く留めないための

古来からの知恵でもあります。

 

 

雛人形に託された神話

 

雛人形の「お内裏様」と「お雛様」は、

実は天照大神と須佐之男命を

象徴しているとされています。

 

天照大神と須佐之男命の

「誓約(うけい)」の神話では、

天照大神の持ち物から三人の女神が、

須佐之男命の持ち物から

五人の男神が生まれました。

 

この三人の女神は、

後に宗像三女神(田心姫神・湍津姫神・市杵島姫神)

となり、海上安全や女性の守護神として

祀られています。

 

一方、

五人囃子に相当する五人の男神は、

天孫降臨の際に重要な役割を果たします。

 

こうした神話的背景を知ると、

雛人形の配置にも

深い意味があることがわかります。

 

 

まとめ

 

桃の節句は、

単なる女の子の成長を祝う日ではなく

古神道における強力な浄化と

生命のエネルギーが宿る日です。

 

桃には邪気を払い、

繁栄をもたらす力があり、

雛人形は神聖な依り代として

女性を守護する役割を果たしています。

 

このように、

古神道の視点から桃の節句を捉えると、

より深い意味が見えてきます。

 

3月3日には、ぜひ桃の花を飾り、

浄化と繁栄のエネルギーを

受け取ってみてくださいね。