さて、手術室までてくてくと歩いていく。

看護師さんと、旦那と、私と。

以前卵巣嚢腫の手術のときは、ストレッチャーで運ばれ、いわゆる「手術室!」ってとこで受けた。

今回はなんかちょっと狭いし、少し暗いような場所。

レントゲン室?ってぐらいな。

 

旦那とは扉の前でお別れ。

死を覚悟した手術じゃないので、緊張はしてるけど、早く切っていなくなってくれって気持ちのほうが強い。

輸血関連の書類にも一応サインしたけど、聞いたら整理の出血より出ないってよ?

 

主治医の先生も来て、おはよーとか軽い感じで。

台の上に載せられて点滴のルート確保。 そう、天敵の点滴。

幼少のトラウマで点滴がどーーーしても苦手なんですよ。おまけに一発で取れないことが多いんですわ。

 

お願い、手の甲だけはやめて!! 

願い虚しく、腕、手首で探しきれずに手の甲にぷすリ。

「ひーひー  ぐすっ 痛い っひー」しか言わない私に先生も苦笑。

「すぐ眠くなるお薬入れるからね」って肩を叩くけど、痛い冷たいの来るけど全然眠くならないんですけど!!!

 

でも意識あるうちに、「おっきめに取っちゃってもいいです。全部行っちゃってもいいです」って先生には伝えた。

本当はそりゃ切らないに越したことないけど、全摘になって再建しないとしても、旦那の技術でそっくり胸シリコン作ってもらって貼るつもりです。

だから予想より浸潤していたらおっきめにズバッと行っちゃってと。

 

先生はうんうんて笑顔でうなずいてくれていた。

 

そうこうしてるうちに、徐々に意識が遠く………。

 

( ˘ω˘)スヤァ

 

 

 

次目覚めると、先生が顔を覗き込んでた。

「終わったよー」

いつも明るい先生です。(女医)

 

まだぼんやりだけど、開口一番に聞いたのは

 

「先生、リンパどうだった?」

 

手術中、昨日打った痛い注射で付けた色付きリンパ。取り出して顕微鏡で見て、癌がないか調べる。

 

 

「………ちょっとあったよ」

 

 

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

 

ずーーーん

 

「じゃあ、抗がん剤?」

 

「ん、そうだね。ちょっとやろうね。癌はとったからね」

 

「リンパは?」

 

「センチネルだけね。そこからは取らなかったよ」

 

ぼんやり頭でよくわかってないんだけど、取らなくてよかったの?実は今でも取らなくていいのかよくわかってない。

センチネルにいたので、それは取った。でも、その先にはなさそうだからいじらなかった。そうかな。

 

おっぱいは残ってる? これは怖くてその場で聞けなかった。

 

帰りはストレッチで病室へ。

すぐ旦那が顔をのぞかせたけど、「ごめん、リンパに行ってた」とだけ伝えた。

旦那はただうなずいてたけど、多分私が覚醒する前に先生に説明されてるね。

だって、取ったもの見せられるんだもの。

 

おっぱいは残ってました。

取ったのは旦那の拳二個分ぐらい。

「結構切っててビックリしたよ。肉ってかんじだった」

 

そうなの? おっぱいって脂肪だと思ってたから白っぽいのかと。

肉屋にあるみたいだった。て。

 

ドレーンと言われる廃液用の管も刺さっていなかった。

痛みはそんなに強くなく、気持ち悪さがちょこっと。

我慢できなくもないけど………と思ったけど、我慢しなくていいよって看護師さんに薬をもらってそれはスッキリした。

 

 

はぁ、抗がん剤の治療が入るのかー。仕事ももう休めないし、お金かかるなぁ………ってベッドで思ってました。

 

そして、尿道に刺さる管が違和感で痛くていたくて、早く取りたくて。

看護師さんに取りたいって行ったら、けっこう簡単に「いーですよ。自力でトイレいけますね」ってやってくれた。

おしっこ青いのよ。

礼の注射の色だって。

 

卵巣嚢腫、帝王切開、乳癌。3つ経験した中では、一番乳がんの手術が痛くないです。