あるグリーンサム 人生の選択 | フラワーエッセンスナビゲーター☆☆チョンボン

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フラワーエッセンスおとぎ話

 

 

                      *氏名などすべてフィクションです。

とある農家の若夫婦に

女の子が生まれました。

 

とても体格のよい丈夫そうな子で、

ほほの赤い、

生まれながらにいかにも

農婦らしいその様子に

両親はとても喜びました。

そして迷わずグリーンと名付けました。

 

グリーンサム:

天才的園芸才能を持つ人の

手指を称して

グリーンサムと言う

 

両親の見立てにたがわず、

グリーンは植物や動物が大好きで

育てるのがとても上手でした。

本能的に直感的に

植物の状態を知り

どんな手入れがベストかが

わかったのです。

 

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けれど

グリーン本人にすれば、

「わかる」のは

当たり前すぎて、

簡単すぎて

自分が特別とは

少しも思っていませんでした。

 

ある日グリーンは熱をだし

両親に連れられ

病院に行きました。

 

病院の先生はとても優しくて、

グリーンの症状を的確に判断し

処置してくれました。

なにより、先生に見つめられ

話しかけられると

それだけで安心できました。

 

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グリーンは医者になる、と

決意しました。

 

私も病気の人に安心感を与えて

病気を治して

救ってあげられる人になりたい。

 

 

グリーンの決意を聞いて

両親は少しがっかりしましたが、

娘の夢を応援すると決めました。

 

グリーンは

一生懸命勉強しました。

勉強は想像以上に難しく

とても疲れる大仕事でしたが

その分やりがいもありました。

 

がんばったかいがあって

医学部に受かりました。

希望する近くの学校は

だめだったので家を出て

遠くの学校に進学しました。

 

グリーンは生活を切り詰め

余暇を楽しむ級友たちを横目に

アルバイトと勉強だけに

時間を費やし、

時間はかかりましたが

試験に受かり

晴れて医師になりました。

 

とは言え

これからまだ何年も

経験を積んでいく

厳しい毎日が続きます。

 

指導医の元、インターンたちは

順に診察にあたり

互いに容赦のない批判をしあって

切磋琢磨するのですが、

ある日いよいよグリーンが

診察に臨む日が来ました。

 

 

グリーンの初めての患者は

もう何日も咳が止まらないという

お花屋さんの一人息子トム。

 

グリーンは真剣に

トムに対峙しました。

真剣すぎて緊張で

手が震えるくらいでした。

 

 

トムはグリーンを見て

不安そうでしたが、

グリーンが

彼に手を伸ばした途端

案の定

火がついたように

泣き出してしまいました。

 

自分があこがれた

あのお医者様と自分とは

全然違う。

 

当たり前のことに今更気づき、

がく然としました。

 

グリーンはうろたえ

頭が真っ白になりました。

グリーンのほうが

泣きたくなりました。

 

こんなに泣くんだから

精密検査が必要かも…

 

植物なら一目見ただけで

わかったのに。

 

植物ならグリーンが近づくと

うれしそうにフルフルと

葉っぱをゆらし、

お水をちょうだいとか、

ここに虫がくっついてるよ、

とか教えてくれたのに。

 

 

 

グリーンは

その時初めて

 

自分のグリーンサムが

特別なギフトだったのだと

思い知ったのです。

 

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グリーンはしかたないので

トムの採血をしました。

「検査結果」という

「確固たる情報」が

必要だったからです。

そして

「念のため精密な検査も

したほうがいいですね」

とグリーンは

トムのお母さんに言いました。

 

トムのお母さんは

びっくりして怖くなりました。

ちょっと風邪をこじらせたかな

と思っていたのに

そんなに重い病気だったの?

 

指導医や看護師もまた

グリーンの診断に困惑顔でした。

 

「その検査をする根拠は?」

と厳しい口調で意見を投げるのは

むしろ優しいほうで

あからさまに「田舎者」

「劣等生」と陰口を言う

インターンもいました。

 

グリーンの診断を

疑いこそすれ

信じる人は誰もいませんでした。

当のグリーンでさえ・・

 

けれど

 

なんと検査結果は

意外なものでした。

 

「疑わなければ

見つけられなかった

ごくごく初期の病巣」が

みつかったのです。

 

グリーンの評価は

180度変わりました。

中には、

まぐれだと言う人もいました。

 

検査結果に一番驚いたのは

グリーン自身でした。

 

 

 

 

 

 

ここで二つのストーリー

 

一つ目のおとぎばなし

 

 

グリーンはめまぐるしい一日を

半ば上の空でやり過ごし

夜遅くに帰宅しました。

疲れ果てているはずなのに

今日の出来事が

ぐるぐると繰り返し思い出され

いったいこれは

どういうことなんだろう、と

混乱して

全然寝付けませんでした。

 

枕元にはトムの両親から

お礼にと贈られた花束が

ありました。

 

花の香りは慰みになったものの

闇の中を寄る辺なく

ふらふらとさまようような

一夜を過ごし

 

あけがたになって

ようやくうとうとしかけた時

グリーンは不意に

どういうこと?という

自分の問いかけの答えに

思い至りました。

 

 

あの時トムに泣かれて

頭が真っ白になって、

そして

精密検査が必要だと思った。

 

 

そうか

植物は大声で泣いたり

こわがったりしないから

どうしようとか、うろたえないで

何も考えず気楽に向き合えてた。

 

そして分かるのが普通、と

思っていたから、

当たり前に分かったんだ。

 

グリーンは気づきました。

 

やることは同じだよ。

 

頭を真っ白にして

何も考えないで

声をきくんだ。

 

そしたら

見えてない根っこや葉っぱの裏

なにが足りないとか、

どこが詰まってるとか

あの子たちは

ちゃんと教えてくれてた。

 

人も植物も

同じ生き物なんだから

「声」をきけばいい。

 

そしてさらに思い出しました。

 

子供のころから

親や身近な人が、

元気に見えても調子が悪い時は

すぐに分かった。

 

でも

植物なら大人顔負けの

知識があったから

具体的にこれ、

ここと指摘できたけど

その頃は

人体の構造も器官の名前も

知らなかったから

ここだって指摘できなくて

人の不調はわからないと

思いこんでた。

 

 

グリーンは

出した答えが

正しいかどうか確かめたくて

飛び起きると、まだ暗い中

病院に行く準備を始めました。

 

グリーンは新しい可能性が

体中に広がるのを感じていました。

 

 

そして数年後

 

医師として

経験を重ねたグリーンは

病院の仲間やスタッフに

惜しまれながら退職し

実家にもどって

町の診療所で働き始めました。

 

両親と一緒に家庭菜園で

野菜や果物を育てながら

子供のころあこがれた

村人に慕われる

立派なお医者様になれたのです。

 

 

グリーンは

夢を叶えた自分が誇らしく

 

自分にも両親にも村人たちにも

そして元気をくれる植物たちにも

日々感謝して過ごす

幸せな毎日を送りました。

 

 

dreamstime

 

 

 

 

もう一つのストーリー

 

二つ目のおとぎ話

 

 

初めての診察が

思いがけない結果になった夜。

 

グリーンは

とても怖くなりました。

今回はまぐれだったかも、

とグリーン自身も思いました。

そうだったら、

自分のせいで病気がみつからず

取り返しのつかないことに

なってしまう人も

いるかもしれない。

 

 

 

今まで

級友たちに貧しい身なりを

さげすまれても

覚えの悪さをからかわれても

容姿やがっしりした体つきを

あからさまに笑われても

医師になりたい気持ちは

揺らぎませんでした。

 

両親がかなり無理をして

仕送りしてくれているのも

痛いほどわかっていました。

両親の期待に応えるためにも

あきらめるわけには

いきませんでした。

 

 

でも

医師の資格が

ほんとに自分にあるのか

人の運命に責任を負えるのか。

安心して私に任せて、

と自信をもって言えるのか。

そう思うと不安で

胸がいっぱいになりました。

 

できないかも

無理かも

 

横になっても眠れず

やっとうとうとし始めた明け方

実家から父親が倒れた

という知らせが届きました。

 

グリーンは

病院から逃げるように

帰省しました。

 

懐かしい我が家に戻り

両親の顔をみたとたん

グリーンは

涙があふれました。

 

二人とも思っていたより

ずっと老いていました。

 

けれど、

不思議なことに、

言われなくても

父親はただの貧血だ、

とすぐにわかりました。

 

病院には1週間の休みを

申し出ていました。

その間グリーンは笑顔で

家の手伝いをしながらも

内心は大荒れでした。

 

今後どうするか

迷いに迷っていました。

病院に戻るのが

今はもう怖くてならなく

なっていたのです。

 

でも、

医師になった娘の姿に

両親はとても満足気でした。

「医者になったよ」と

ご近所さんたちにも

ニコニコ笑って

自慢していました。

 

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明日には休暇が明ける最後の日

グリーンは

悩みをかかえたまま

子供のころよく遊んだ森に

入っていきました。

 

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森の木々や野草たちは

グリーンが来ると嬉しそうに

さわさわと体を揺らし

出迎えてくれました。

 

でも心は沈んだままでした。

沈んだまましばらく森を進むと

開けた平原の真ん中に

チョークチェリーの木が二本

寄り添うように生えている所に

たどり着きました。

 

幼いころ

一番お気に入りだった場所です。

 

もう何年も

ここには来ていませんでした。

今回だって

自分の悩みに囚われてしまって

あんなに好きだったこの場所を

すっかり忘れていました。

 

allaboutlearningress

 

 

 

あたり一帯、静かで

懐かしい優しさに

満ちていました。

 

包み込まれるような温かさ。

 

でもそれだけでは

ありません。

 

幹に触れると

重く沈んだ

暗い胸の中に

ふいに光が差し込んで

ふっと体が軽くなったように

グリーンは感じました。

 

子供のころには

感じたことのない

言葉にできない不思議な

感覚でした。

 

そしてグリーンの中で

「大丈夫だよ」という

かすかな声が聞こえました。

「あなたのその苦しみを

私がほんの少しでも

慰められたら嬉しい」

 

それは

その大好きだった

チョークチェリーの声だと

グリーンには

すぐにわかりました。

 

 

 

 

グリーンは

チョークチェリーの前に座り

その声にじっと耳を傾け

時にグリーンが問いかけ

心行くまで語り合いました。

 

 

 

 

子供のころは幸せで、

なんの苦しみも悩みもなかったから

いつも元気いっぱいで

なぐさめの声は必要じゃなかった。

 

ちっとも気が付かなかった。

 

 

 

グリーンのほほを

熱い涙が流れ落ちました。

 

 

 

いつだって私はこんなにも

愛されていたんだ。

そして

今のままでいいんだって

私のまんまでいいんだって

すべて受け入れられてた。

 

 

 

グリーンは

感謝の気持ちで

胸がいっぱいになりました。

 

 

 

家に帰ろう。

 

 

 

やがてグリーンは立ち上がり

しっかりとした足取りで

森を歩き始めました。

 

lifehack

 

 

自分がこれから進む道は

今はまだ

はっきりと見えません。

 

けれど

自分の在り方

これからの人生を

どう選択していけばいいかは

はっきりとわかりました。

 

今までの人生が決して

間違いでも、むだでもなかった

 

流した悔し涙や後悔や迷い

辛くみじめな体験も

不安や恐れすら

全ては贈り物だったと

グリーンは

感謝と共に確信しました。

 

 

前を向いて力強く進むグリーンを

森の木々や野草たちは

エールを送るかのように

さわさわと体を揺らし

見送っていました。