佐久間さんがどこへ行くのかは、実は分かっていた。
元カノに会いに行く、という事を。
佐久間さんは、私と付き合う前に付き合っていた彼女とは、
親友だと言うのだけど、
唯一、私に紹介しない人物でもあった。
帰省すると、必ず会いに行く。
多分本当に何もないんだろうけど、
正直な話、私には何かあってもなくてもどっちでも良かった。
それは、結婚した当初から変わらない気持ちでもある。
やはり、女性の意見を聞きたくなる時もあるだろうし、
佐久間さんの事をよく分かっているからこそ、
本人も何でも話せると思うし。
こんな事を思っているから、
いい奥さんだの、理解ある奥さんだの言われてしまうのだろう。
昼間はママと加奈と真奈と出掛けた。
今年も終わりというのに、街の中は普段とさほど変わらず、
閉まっている店を探す方が難しいくらいだ。
これが当たり前と思っていただけに、
あの町の静けさを見たときは本当に辛くなった。
「ママ、私ちょっと雑貨屋さん行きたいんだけど、
あの店狭いから、二人見ててくれる?」
「あぁ、愛ちゃんの好きなお店ね。
いってらっしゃい、ママ達はあそこでお茶してるわ。」
「うん、ありがとう。
加奈、真奈、ちょっと待っててね。
愛ちゃん、すぐに帰ってくるから。」
二人は笑顔でうなずいた。
三階建ての店内には可愛い系の物、
アンティーク的な物、高価な物から安価な物まで、
狭くも見やすく商品が並べられているこの雑貨屋さんは、
高校生の時によく通った店だ。
パパにライターを買いに来たのが目的だった。
パパにコンビニのライターは似合わない。
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