1941年の真珠湾攻撃の開戦から70年。
2011年7月18日決戦の地ドイツ・フランクフルトで因縁の日米頂上決戦。
過去の日米対戦は24戦21勝3分で日本はアメリカに一度も勝ったことがない。
アメリカはアビー・ワンバック選手やアレックス・モーガン選手を率いる、筋骨隆々でスピードのある選手ばかり集めた、まさにフィジカルモンスター軍団。
対する日本は、欧米の選手に比べると華奢で突出したスピードもない。
細かいパスで細かく繋いで勝ちを狙うスタイル。
言わば、ムスタングと零戦の再戦。
後半24分モーガンがディフェンスを振切り先制ゴール。
1点が入ったことでアメリカの動きは鈍くなった。
それに対し日本は疲れをものとせず走り続けた。
会場は、前半はアメリカ人のUSAコール。後半はドイツ人によるヤーパンコール。
これも三国軍事同盟の名残か。
後半36分自陣から約50mを一気に駆け上がって来きた宮間選手が左足で同点ゴールを奪う。
シュートの瞬間、宮間選手はインステップで向かって右に蹴ろうとしたが、世界の名GK・ホープ・ソロに読まれたと感じて刹那にアウトサイドを使った左狙いに切り替えていた。1000分の1秒単位で判断し敵を欺いた。
延長前半14分。日本が最も恐れていたワンバック選手がヘディングでゴールを決める。
しかし日本は66年前の敗戦を忘れていなかった。
後半12分、宮間選手のコーナーキックから澤選手が右のアウトサイドで合わせまたも同点ゴール。
TVで観戦するオバマ大統領がツイッターで「タフな試合」と評した。
決着はPK戦に委ねられた。
宮間選手が相手キーパー ソロ選手を嘲うようなキックでゴールをする。
対するアメリカ選手は、負けられないプレッシャーのせいか、どんどんPKを外してしまう。
4人目のキッカー熊谷選手が入れれば日本の勝ち となる時、後のないアメリカのゴールキーパー ソロ選手は、熊谷選手を必要以上に挑発する。
熊谷選手は相手を見ずに、ゴールをイメージすることだけに専念した。
蹴り跳ばしたボールはゴール右上の隅に付き刺ささり、日本の勝利が決まった。
MVPは大会5ゴールの澤選手。
2ゴール4アシストの宮間選手。
宮間選手のテクニック、ワンバック選手の身体能力の高さが目立った試合。
70年前、国家の為に尽くした霊に、いい報告が出来た瞬間だった。