ラウンド削減の是非 | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

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WBCがOPBFを含む傘下の地域王座をすべて10回戦にするとの発表をしました。そういえば世界戦を15回戦からいち早く12回戦に移行したのもWBCでしたね。ま、当時は2団体時代でしたが・・・

ラウンド数減少による目的は概ね以下の2点でしょう。

①試合の短距離走化によるKO率の増加狙い

②ラウンド数減少により事故を減らす、安全性の強調

 

まず①について

他の格闘競技を観ると、キック系はK1等の影響から従来の肘有5回戦から肘無3回戦が主流に。MMAも5分3R(タイトルマッチは5R)でPRIDEの流れを継いだ1R10分、2R5分でやってる団体は皆無。

柔道もレスリングも短時間化されて久しいし、バレーボールもサービス権があったのは過去の話。

その時代における観客の好みの変化であったり、テレビ中継等に合わせての試合時間コンパクト化などの要因があるでしょう。

格闘技におけるメリットとしては試合のテンポ・アップによる攻防の激化、KOや一本勝ちの増加等があげられます。

しかし、ボクシングはどうか。かって企画されたB-TIGHTはA級ボクサーを4回戦で競わせることでKOの量産を狙ったが、結果としてA級ボクサーの防御を突破するのに4Rでは時間が少なく、KOは増えなかった。非JBC興行のBOX-FIGHTもラウンド数が4~5Rだったと記憶してるが、これも思ったほどのKO率では無かったしなあ。

おそらく攻撃手段が多い他競技と比べて、ボクシングは攻撃手段も箇所も制限されてるから、KOに至るまでのプロセスが長く、複雑なのかも知れない。勿論、例外もあるが一般的に。

 

次いで②について

戦うラウンド数が増えるとダメージを蓄積して戦う割合が減ってくるので危険度は減るのかも知れない。しかし、世界戦を15Rから12R制にしたことでリング禍が減ったかというとそうとも言い切れない。

レイ・マンシーニvs金得九のリング禍が直接的な引き金になったが、翌年のアルバート・ダビラvsキコ・べヒネスの世界戦でまたリング禍が発生した。

ラウンド別によると10Rまで、序盤での発生が多いので15と12のラウンド数の因果は少ない様にも感じる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/リング禍

 

むしろ、世界戦という舞台に上がるうえで泡沫的な王者や挑戦者が増えた事でリング禍まで結びつかなくても事故が増えたのではないか。

統計を詳しくとってるわけではないが、試合数が増加すれば事故も比例して増えてくるだろうし。タイトルの増加と結びつけて考えるのは穿った見方だろうか?

世界戦が12回戦制に移行したときに多くの名王者が異を唱えたことを思い出す。ハグラーや具志堅、輪島・・・13Rからが本当の世界戦とコメントしたのは具志堅だったか。

OPBFでいえば10Rから先が本当の東洋太平洋タイトルマッチということか。

 

最近の管理は日本以外はまったくダメだったりするOPBF王座だが、長い歴史と積み重ねで日本のファンには思い入れがあるベルトだ。世界に届かなくても数多くの王者を輩出し、名勝負を繰り広げてきた。

そんなタイトルの運営を根底から覆す愚挙に思う。

関、矢尾板から村田英次郎、クレイジー・キム、中谷正義に至るまで、多くの名王者が歩んだ歴史を無駄にしかねないと思うのは考えすぎだろうか。