引っ越しブルース その3 | ♪ IN MY LIFE ♪〜ドイツ・フランクフルトの窓辺から〜

♪ IN MY LIFE ♪〜ドイツ・フランクフルトの窓辺から〜

ドイツ生活早数年。
楽しく奮闘しております。
メゾソプラノ歌手です。

ドイツ・旅行・音楽・オペラ・グルメ•ときどきビートルズ&サウンド・オブ・ミュージック便りをお届けいたします♪

前回の続き。
引き続き家探し迷走記は続きます。

※※※※9軒目※※※※

8軒目。
夢にまでみたドリーム•ハウスも見事に桜散る…。
そのショックを数日、だいぶ引きずったが、



これじゃいかん!!!
少しずつでも気を持ち直して
前に進まねば!!!

と、俄然やる気はでなかったが、
なんとなくメールを再び送り始めた。


そして、久しぶりに内見のメールを受け取った。


うーん。写真で見る限り…
全然魅力的ではないなぁ。

屋根裏のナナメの屋根のアレだし。
(⇦以前あんなに憧れていたくせに。)
あの『8軒目』以上に理想的な家はなかなか出会えないのです。


しかし、
大変仲の良いとある人の家のすぐそばだったので(この広いフランクフルトでなんと偶然にもその人のうちと徒歩五分圏内)
試しに一緒に見学に来てと頼みこんで、
期待薄、半分冷やかしで行くことにした。
またまた仕事に穴を開け、30分ほど遅れていったのだが。
(最初は仕事休めなかったから代わりに見て来てもらう予定だった。)



この街、
今の家から電車で1時間ほどのところだが。
しょっちゅう遊びに来てるので、
出来ればこの地域に住みたいなぁと
実は去年の家探しのときから思っていた。


私が去年何度か参加していた合唱団からも近く、
その合唱団のメンバーのレナータという知り合いのドイツ人のマダムのおうちも近く、
また、年に一度お庭でグリルパーティに呼んでくださるおうちもすぐそば。
今度の3月にまた教会でミサ曲の本番があるのだが、
その教会から徒歩数分の距離である。



 いろんな意味で繋がりのあるこの街。
住めたら素敵である。
しかもほぼ郊外のようなのどかな風景。
それでいて、フランクフルト市内ギリギリなので、定期代はかからない。

しかも、徒歩圏内に大きな家具屋がある。
ここで私はカウンターテーブルやら布団やらフローリングやら。
大小ありとあらゆるものを1時間以上かけて徒歩と電車で運んだ。
本当に大変だった。
ここに住むことができたら、この安くて便利な家具屋さんはすぐそばだ。
ありがたい。

職場もトラム(路面電車)で一本。
音楽院も、プライベートのレッスンの先生の家も、半分くらいの距離になる。
とにかくトラムに揺られてるだけ。
便利だ。


さて。肝心の物件ですが。
全く期待しなかったのだが、
行ってみてあらびっくり。
確かにナナメの屋根の屋根裏部屋だが。
前述した『3軒目』と建物の造りや、中の間取りがうりふたつ。
本当にそっくり!!
同じ系列のマンションかしら!?

むしろ中はそれ以上に綺麗なのである。


うわ!!!
なにこれ!!!
写真でみた以上!!!
キッチンもバスルームもきれい!!!


バスルームのナナメの窓から
美しい自然と星空が眺められる。
静かな街の屋根屋根と緑がみえるのだ。


リビングも少し薄暗いが、
屋根裏部屋でも圧迫感がなく、
窓もそこまでちいさくはない。

地下もものすごく広い所有のスペースがあり、
洗濯機は地下に自分の洗濯機をおき、
地下に共同の干すスペースがある。

まぁ、結局洗濯機は地下なのね。

でも、みんなでひとつの洗濯機を
コインで共有するより、
ひとつひとつ自分で所有できるのはラク!


それに、
大本命だった『8軒目』は、バスルームやキッチンに換気のできる窓がなく、
それがかなりひっかかっていた。


そして、『8軒目』は目の前の大通りの道が汚ない。
下見に行った時、犬のフンがいくつか落ちていて、ゲンナリした。
そして、内見に実際に夜行った時は、夜道が暗すぎて、何を踏むかわからない恐怖にこわごわと怯えたものだ。
(そしてドイツでは犬の落し物が集中的に落ちている地域は決まっている気がする。たいていドイツ人以外の民度が低い人たちが集中している。)

いくらいい部屋に住んだって、
毎晩毎晩あの心配とストレスは無理だー。

と、実は落ちたことで少しホッとした部分もあるのだ。


それが今回の物件!

バスルームもキッチンも私好みで大変綺麗!
そして両方ともに窓があり!
近くの通りも綺麗で落ち着いている!!


うわぁー!かなりいいかも!!
と、一気に気に入ってしまった。
それでいて家賃は今までの相場より見事に100ユーロ安い!!!
なんて最高な条件!!!

そしてまたすぐに天の神様の言うとおり〜♫のごとく、神仏を信頼した。


ははぁーん。
神様はこういう展開のために
私に回り道をさせたわけだねっ。
結局1番いいところにたどり着くわけかぁーーー!!


…そうして、
本気で気に入る物件その2が現れた。
8軒目、9軒目と続いて、
どんどん気に入るものが目の前に現れる。



何かが確実に近づいてくる。
そんな予感がした。

でももう、ここで決めてしまっても、
全く悔いはない。
むしろ、最高なドイツ生活が私を待っている〜♫



こんなに気に入るとは思いもせず、
迷いなく言われもしないのに持ってきた資料を不動産屋に差し出した。
(もうなんの資料が必要か慣れている(笑))
しかし…まずいっ!
他の不動産屋さんの名前のかかれた資料だった!!とか、
違う物件の住所が書かれてるっ!!
とか、
散々間違えたので、
結局また仕事に戻って、終わったあとに全ての資料をスキャンして、

翌日、メールでおくり直した。
そして、念押しするように電話も。

『あぁ!昨日の日本人子ちゃんね♫(…みたいなニュアンス)今日また管理人に資料を送って、また結果をお知らせしますー。とかなんとかかんとか。』


電話もしたし、
好印象な雰囲気にも思えたし、
展開が展開だし(⬅︎まだ言ってる!)
今度こそ決まるかもしれない!!
決まったら最高なのにー!!!!

そうして、ワクワクしながら返事を待つことにした。

ただ、他にも見学者が何人も来ていて、
更に、私と一緒にいた子は、半年以上家を探しているが全然決まっていない!!
と訴えていた。

みんな大変なんだな…。
ドイツ人でさえ大変なのに、
日本人が大変じゃないわけない。


※※※※10軒目※※※※


11月に入った。
家探しを始めて3ヶ月目。
できれば12月の頭には新居にいたい。
あと1ヶ月。
また内見のご案内があった。


まぁ、私の心はもう完全に
『9軒目』に撃ち抜かれていたけれど。
返事はまだなかった。


前回の『8軒目』のようなことがあってもいけないので。
期待は半分にしつつ、
まぁ保険をかけておくのも大事、
ということを学んだので、
この内見も行くことにした。
たまたま午後から半休だったということもあり、時間も珍しく合ったし、

メールをやりとりしていて気付いたけれど、
また例のアイマーさんの物件だったからだ。
実に1ヶ月ぶりのアイマーさんご夫婦!
(※『5軒目』『6軒目』参照。)



憎まれ口得意な某上司には、
仕事終わり、出る直前に資料を一通り印刷して記入している姿をみられ、
『また内見行くのぉー!?』

などと言われたが、



『キミみたいなひとが、いい家に住んで、充実した生活を送ることがこの会社にとっての発展にも繋がると思うし、
キミのような立場、役割のひとはいいところに早く引っ越すべきだ。それが俺たちの仕事にとっても良い。』

と、言っていただけた。
ありがたい…。


そして、即座に口にしていた。

『でも、私もなぜか分からないけれど、
この家探しの生活もそろそろ終わる気がするんです。』


なぜだか、そのように思えた。
よくわからないけれど、
もうそろそろここら辺で終わるだろう、
という感じが、潜在意識のあたりから語りかけてくるような気がしてくる。

何かが近い…。




さて。
肝心なアイマーさんの物件だが!

まず、駅から遠い!
夜道は真っ暗でなにも見えやしない!!
そして、寒い中、
30人ほどの見学者がエントランスでならばされる。
(そしてなぜかエントランスは回転ドア。)
これまでで最大の見学者。
アイマーさん、強硬手段に出てるのかな。
そして3人ずつ呼ばれてエレベーターに乗って、部屋を見に行くというもの。

すでに30分経過。
さむーっ。
寒いんですけどーーーー!!

そして、次呼ばれた瞬間、
もう行ってしまえーーーー!
と、エレベーターに飛び乗った。
(だってそのあと予定があったんだもの。)


見た目は市営住宅のような感じなのに、
エレベーター降りた瞬間に古ぼけたカーペット。

そしてそれは、住民とアイマー夫人の待ち構えるお部屋まで続く…。


廊下までカーペットだなんて、ホテルか!!!


そして、たどり着いたお部屋。
バスルームあり、キッチンよい、
部屋もカーペット以外は8軒目と同じような広さで悪くはない。
でも柱は古く、明治、大正時代の木造建築か!!という感じだし、
とにかく薄暗さが全体を覆っている。


まぁ、あの柱と古いカーペットをみた瞬間、
『無いな』と思った。

なんでアイマー夫妻の物件って、3軒すべてカーペットなんだろう。
いや、綺麗ならいいんですけどね。
カーペットの家にお住まいの方もいらっしゃるし。居心地良くお世話になってるし。
だけどなんだかなー。
あんたたちの清潔感というか、
あの土足ズカズカ感が私には信用ならないんだよーっ!!
(⬅︎じゃあヨーロッパで暮らすなと言われればそれまでなんですが。)


住民の方に、何か質問ありますか?
と聞かれ、

『洗濯機は部屋に置けるんですか?』
(このドイツ語はいつも使っているからすごい上達してきた(笑))

と、真っ先に手を上げるわたくし。
残念ながらここも地下で小銭をいれて使う仕組みだそうな…。


でも、地下もなければ部屋にも置けない家もあるなかで、
だいぶましだわ!!とは思うのですが。


でも一応、やる気があるところは見せないと、
と、私の書類は置いて行くことにした。


そうしてアイマーさんとは、
『また会いましょう』との挨拶を交わし
(だからもうこりごりだってー。)
今に至る。


そう。
あれから連絡がまるでないのです。


アイマーさんも!(これは別にいいけど。)
あの、新本命の素敵なおうちからも。




『9軒目』。
あの素敵なお家も、
一週間待ち、二週間待ち…
待ち続けたけれど、
結局連絡が来ることはなかった。




電話するべき!?
と思えど、
それだけなきゃ、諦めるべきだと
何人もの人に言われ…。


ふたたび私は気力を無くし、
もう誰も信じられない(笑)
ふたたび神も仏もないと思い始めた。
(⬅︎メンタル弱すぎる…)
ダメージポイント270てんぐらい。


神様…
これだけのニンジンを目の前にぶら下げておいて…
そりゃないよ。
どういうことなの!!!!


もう11月も末。
せっかく地元の素敵な合唱団にもレギュラー参加できるかと思っていたのに、
またあのひどい家に逆戻り…なわけです。


※※※※11軒目※※※※

それでも、最後の最後まで頼りの綱で
望みであった、
ドイツ人の友達の同僚が引っ越すマンション。あの、4週間後に電話しろってとこ。
(※前の記事の、下線部参照。)


そこはドイツ人の友達が昔、
7年ほど住んでおり、
夏頃からお勧めだと言ってくれていた場所だった。

小さい部屋だがバスタブ付き、
カーペットだが、清潔、
洗濯機は地下で共同だが、使える、
小さなベランダ付き。
エレベーターもあり、10階などになるだろう、
というもの。
そして管理人さんも本当にめちゃくちゃいい人だったそうだ。


情報を仕入れてきてくれた時点で電話してくれたが、
四週間後にまた電話しろと言われ、
月日は流れ、
予定通りまた電話してくれた。

すると今度は私から直接メール送ってくれ、とのことだったので、
文面を考えてくれて、仕事始めの朝1番から

『この文書をコピペしてメールして!!すぐに連絡くれるって。』

と、メールをくれたのだった。
早速メールした。

しかし待てど暮らせど返信はない。

返信ないよと伝えると、
また電話してみる!と、連絡してくれた。
そして、すごく忙しかったようだから、
また私からメールしてくれと言われた、と。

どうやら友達の知っているとても親切な管理人さんではなくなって、
めちゃくちゃ変わった不親切な見知らぬ人になっていたらしい。

もう一度送ったら、
返信がきたが、
散々友達が伝えてくれているにも関わらず、
何人だ?
どういう形態の部屋か?
ざんねんながら、そういう情報が何もないのにこちらからは何もできない、

という内容だった。
慌ててその内容について応答したが、
それ以降返信がない…。


最後の頼みの綱まで、
途切れてしまった。


せっかく、
清潔ならカーペットでもいいかなーっ
という妥協ポイントまで来たのにーっ。


(洗濯機が地下で共同はとっくに妥協してるしーっ。)




そんなわけで、
絶望も絶望である。

最初は余裕もあり、楽しんでさえいた家探し。
こんなに決まらないんじゃ楽しめなくなってきた。
またこんな家に戻るのか…。
もう生理的に無理だー。
精神的に壊れそうになるーっ!!!
なんとか脱出したいのに…。


せめて年内には…とずっと今年の前半から思っていたのに。
それも叶わないのか…
ううーん。考えたくない!!!!


せめてクリスマスマーケットの始まる、
クリスマス四週間前のアドベント。
あの毎週日曜日に火を灯すアドベントクランツのロウソクは、
今の劣悪な環境ではなく、
新居で灯したいと心から熱望していたのに、
それも叶わないのか。


ああ…考えるだけで鬱である。
あんな家に来年の二月まで!?
本当に無理だーーー!!
耐えられない!!!!

こんなに生活レベルを下げてドイツにいるぐらいなら、日本に帰った方がマシじゃないか!?
(住宅問題以外ならすべてドイツの方が良いのだけれど。)
とすら考え始めるレベル。


しかしいかんせん、
やる気を失ってプチ鬱状態なので
(家の外にいるときはもちろん元気ですが)またぼちぼちメールを送り始めるも、
そして返信が幾つかくるも、

あー、どうせまた決まらないんだろうなーっと。


またその内見の日が、
連休明けのがっつり1日働きまっせという日の昼間!!!!
とかに何件もモロかぶり。


こらーーーー!!
何日もその前休んでるんだから、
どうしてその日にしてくれない!?


もう、仕事代わってくれと頼む気力も沸かず、
モチベーションも上がらず、
そのままメールを根こそぎ無視して行くのをやめた。
そして仕事に精を出した。


ああー。もうがっかりだよ。。。


まぁ、そんなこんなな生活を
送ってるので、この引越しブルースをどこかのタイミングで朗報としてお伝えしたかったのですが、
なかなかうまくいかずに今一挙にお伝えしたわけですが。


最近、感謝の気持ちを忘れてるなーって思う。
周りのひとに対しても、
家に対しても。
ドイツ生活にしても。
文句ばっかり。

家の悪いところしか見えないし、
あんなに前向きに楽しんで家を見つけよー、って思ってたのに、
それも出来てない。

こうやって書いてみたら
いろんな人の優しさに支えられてるのにね。
だから感謝したい。
今の家にも、できれば感謝したい。
ビザがとれて、
今年もドイツにいることも。
仕事があることも。

生活の保障があるから、
家のことだって考えられるのに
(去年はビザが延長できるか分からず、自分の家という感じがなかったので、この環境でもやれた…。でも2回目の冬は、ちょっときついですー。)
慣れっていやだね。


そうこうするうちに、
自分でもぼちぼちメールは送っているが、
自分で探すのも面倒くさくなってきたので、
人に探しといて!お願い!!と
ついにもう他人任せ。
人使いまで荒くなりすぎている…。


そうこうしているうちに先週、
急に2時間後に来た方がよいとその方に言われて、
仕事中だったのですが、手ぶらで急遽
※※※※12軒目※※※※
に行ってきた。


ただでさえ時間なかったうえに、
絶対間に合って帰ってこいと憎まれ口上司に言われて、勢いで約束したものの、

普段来るはずの電車がこないわ、
途中下車して確実な電車に乗ったものの途中でとまるわ、
運転再開の兆しはないわ、
更に別の電車に乗り換えて、
内見はじめての遅刻して、
更に仕事に戻らないといけないので、
五分で帰らないといけないとさっさと帰るという荒技(他にも見学者きてるのに…)。

なんだったんだあの時間は…。


でも、一刻も早く引っ越したい!!
今の家を出て安らぎを手に入れたい!!

そう思ったら、
条件にこだわらずに少しでも良かったら、引っ越すべきだと思い始めてきた。



私はいったい来年の今頃、
どこにいるんだろーか。

素敵なお部屋で人並みの充実した生活を遅れてるだろうか…。

ああ。これだけで、
私の不幸だと思っている数々はかなり解決されるのに…。



もうそろそろ、ここらで決めたい。

いやそれともっ!
まだまだ辛いと言えども、
実はそこまでまだ参っていないのかしら。
もっとこのひどい家で酷さを十分堪能して、
心身枯れ果てるまでの辛さを味わうべきで
今こうなってるのか。
私としては随分とすり減っているのだけれど。

でもネットなどをみると、
40件ほど見たって人もいたしなー。
まだ12軒…。
私もそれぐらいかかるのか…。
でも40軒までこんな生活、続けられない。


さぁ、私は無事に引っ越せるのか。


乞うご期待!!です。