茶仏―お茶と寺廟のある風景
この本を読んでいると茶の歴史をのぞきながら
ちょっとした旅気分が味わえます。
お茶を飲みながら、この本をぱらぱらめくると、毎回、違った光景が
目に浮かび、いつか行ってみたいと思うこと早数年。
例えば、長崎のお話。
中国人の手で創建されたお寺のことや、その中のひとつである、
興福寺三代目の逸然性融が隠元禅師を日本に招いたときのこと。
どのようにして茶が伝えられたのか、当時の喫茶法や
歴史的文献など、多岐にわたって紹介されています。
興味深い写真もたくさん掲載されており、じっくりと時間をかけて
何度も楽しみたい一冊です。
難しい話だけではありません。
貿易船で渡ってきた長崎の唐猫はしっぽが短いのが特徴
なのだという記載と一緒に、しっぽの短い猫の写真。
表紙にも唐猫の写真が載っています。
こんな情報を知ってしまったら、きっと長崎に行ったら
猫のしっぽを確認したくなりますよね。
お寺や僧侶とお茶の深い関係や茶の歴史を紐解きながら
想像の世界にひたる時間も楽しいものです。