立派な神社も酒蔵も過ぎて、あとは昭和テイストな家々が並ぶだけ~・・・
 
 
そんな街角に、向こうに何もなさげな様子が現れました。
 
雲ばかりが大きく見える向こう側。
鉄塔らしきものは見えますが、高い建物とかはなさそう。
 
じゃあそろそろ、目的の川に着いたかな。
 
 
正解でした。
 
前を行く軽自動車が、橋を渡っていくところです。
 
 
私も橋に足をかけてみますと、見えてきたのは、なんとのどかな風景。
 
小舟が浮かぶ小川に、向こうに見えるのは田園風景です。
 
先ほど見た通り、高いものは電柱関係くらい。
 
 
橋の欄干には、あやめのレリーフがありました。
 
ここは前川といいまして、霞ケ浦の湖のひとつ・北浦から南へ流れる鰐川と、一番大きな湖の西浦から流れる常陸利根川をつなぐ川です。
 
水場だらけのこの一帯、各川や湖から流れる支流も多いのですが、この前川はこの先、南西のところにある常陸利根川との合流点近くに、水郷潮来あやめ園があることで有名です。
そこにたどり着くまでの道中は、田畑を潤す役割もしているのでしょう。
 
 
そのまま橋を渡り切り、川沿いの道を西南西に向かって歩きます。
 
この先に、鹿島線がカーブを終えて南へ向けて走っている地点があるはずなのです。
 
しかし、ここからだとまだ、駅までは2キロくらいあるらしい。
 
朝だと思っていた風景も、いつのまにやら午前中もだいぶ回ってきました。
そろそろやばいな、約束の時間に間に合うようにせねば。
 
 
この時点で焦りだすも、まだまだ駅どころか線路も見えない。
 
前川には橋がたくさんあるのですが、中にはこんな草の生えた橋がありました。
 
足に優しそうだなあと思いつつ、見てみる。
 
舟を通すためなのか、かかっている橋はどれも坂を上って高い位置になってます。
 
 
木の柵が風情あるなあと思って歩いておりましたが、ふと向こう岸を見るとふつーのフェンスでした。
 
あちら側は住宅街だから、しっかりした侵入できそうにない柵でないと、危ないからか?
 
 
だいたい、橋というものは、小さい川ほど多く設置されていて、大きい川ほど、数が少ないものであります。
 
この前川のように、頻繁に橋が現れるのは便利ですが、技術とか予算の関係でしょうか、渡りたいときに現れるとは限りません。
 
さらに数百メートル歩いて、現れたここの橋は比較的低い位置。
 
それなら疲れた足でも渡るは容易い。
 
ちょっと橋の上から、また景色を見てみようかと足を向けてみました。
 
すると。。。先客がいました。
 
 
なんじゃい?と、不審者を見る目で私を見つめる、お猫様。
 
これはこれは、失礼しました。
ちょいと通してくだしゃんせ。
 
言ってみたけど、じーーーーっとこっちを見たまま、反応なし。
 
残念、それではお暇いたしましょう。
 
くるっと踵を返してみると。。。
 
 
同時に去ろうとしている、お猫様。
 
何ですか、その貫禄は。
飼い猫らしき、落ち着いたたたずまいの猫と、ちょっとだけコミュニケーション・・・できてないかもしれないけど、まあいいや。
 
ちょうどいたのが日本ネコだっただけに、この街に似合いすぎる!!!と、ちょっと嬉しかったです。
 
 
♪ 遠くまで 稲葉浩志