クラス中に聞こえるような大声で


『違うよ〜。M子ちゃんが悪いんだよ〜。後ろ向いてる間に牛乳配ったから〜』


と、M子ちゃんを指差した。


私はまるで甲本ヒロト。


左隣でマーシーが弦を弾く。


終わらない歌を歌おう〜!明日には笑えるように〜♪


さぁかかって来いM子ちゃん!


オーディエンスが一斉に注目しているぞ!この雰囲気の中、8歳の君は反論出来るのか!


私はいつかこんな日が来る事を想定して、『先手必勝』をシュミレーションしてきた。


牛乳瓶を割らない最善策をとりながらも、割れた場合の対応策も考えていたのだ!


これをリスクヘッジと呼ぶ事を知るのは15年後だ。


どうせ反論なく泣き出すか、怒りで支離滅裂な事を言うのだろう??


私にはわかる!この2年間、牛乳瓶の事だけを考えてきたのだからな!


M子ちゃんは笑顔になりました。