有料放送の契約を解除し、F1のライブ観戦をしなくなって、もうどのくらいの月日が過ぎたでしょう。鈴鹿サーキットへ行った最後が2018年だから、今年でもう6年目…そりゃ当然、業界の「風景」も変わりますなぁ。

個人的には、かつてのF1の雰囲気が大好きでした。美しい女性がグリッドを華やかに彩り、そこを散策するゲストの多くは、上品で知的なオーラを発散しておりました。あれこれと怪しげなウワサの絶えないバーニー御大だったけど、彼が好んだ「ヨーロッパの上流階級の香り」を、オバさんも存分に楽しんでいたのですよ。で、今がどうこうと申し上げる気は、まったくございません。ただひとつ言わせてもらうと、かつてのヨーロッパの香りがほぼ消滅し、アメリカンな方向へ突っ走るこの「モーターショー」をライブ観戦することは、もう2度とないでしょう。それでも、日々の情報はチェックし、大好きドライバーのリザルトはしっかりフォローし続けます。そんなオバさんが久しぶりに投稿するF1記事。まず、掲載するのがこの風景です。

 

2024年シーズンの第8戦モナコGP、予選のひと幕です。いかにもモナコらしい風景ですが、この居酒屋(モナコっぽくない表現?)コーナーはレースの名物であり、オバさんが熱中していたころとまったく変わっておりません。あれは確か…フェラーリで走り始めて1年目でしたか。シャルル・ルクレールはここでクラッシュし、決勝レースをリタイアしました。クルマが宙を舞い、ハーフスピンで停車した光景が、今も鮮やかに思い出せます。

そこを駆け抜けていくシャルル。「ぼく、17歳!」なんて、無邪気な笑顔を見せていたマカオGPでひと目惚れした大好きレーシングドライバーも、今年の誕生日で27歳です。F1に昇格して以後、ずうっと願い続けても叶わなかった夢「母国モナコで勝ちたい!」。その強い想いが空回りしたのか、F1デビュー後2~3年は完走すらできない状況でした。本人の無念さを想像すると、本当に心が痛みましたよ。上記掲載の居酒屋コーナーは、その気持ちを視覚化した場所と言えます。今まであまり触れたくなかった風景を、こうしてブログで紹介できる日が、ついに…ついにやって来たのです!

 

悲願のモナコGP優勝。この日の到来は、個人的には実に長い歳月の果てでしたよ。シャルルがF1に昇格したとき、当時の彼の勢いからしてすぐに達成できると思ったのに…。まさか、これほどの時間がかかるとは。実際、呪われてんのかよ…なんて、本気で考えた時期もありましたからね。いや~、心底嬉しいです! 

予選でポールを獲得した段階で、まずは「こりゃ、いけるかも」と期待が風船くらいになりました。そして、「スタートでシャルルを抜く」とかおっしゃるマクラーレンの坊やドライバーに、「アンタ、10年早いよ!」と呟いたところで妙な確信が生まれたりして…。実際、ハイライト動画では2度目のスタートのとき、シャルルがこの坊やドライバーにちょっと幅寄せしたように見えました。オバさんの思いを、彼も心の中で呟いたのかも。

こうして開始された、2024年シーズンのモナコGP。表彰台に届かなかったマックスいわく、「枕を用意したいほど退屈なレース」は、この市街地サーキットの特徴であり個性でもあります。今年は1週目の大クラッシュ赤旗中断により、唯一の勝負どころであるピットイン作業が、ほとんどのチームになかったことでさらに退屈な「パレードレース」になりましたね。ただ、ライブ観戦してない者の個人的な感想としては、2024年のモナコGPは結果だけで大満足です。

 

では最後に、今後も見守り続ける大好きなレーシングドライバーへ、熱い想いを込めた言葉を贈ります。

「おめでとう! シャルル。ついにやったね。でも、この勝利はきみにとってただの通過点。記録と記憶を母国の地に刻み、さらなる高見を目指すきみを、これからも応援します!」