先月末に出版されたスーさんの新刊「生きるとか死ぬとか父親とか」は、
早くも第三刷決定だそうです。
24歳の時に、お母さまを癌で亡くされたスーさんは、その後お父さまと2人でさまざまな大事なことを決めていかなくてはいけないなか、
親子なのにまったく会話が成り立たない(通訳のない国際会議のようなものとおっしゃいました)
ことに愕然としたそうです。
これまで父娘のあいだの緩衝材になってくれていた母の不在により、
もはやコミュニケーションが成り立たず、様々なことが積もりに積もって一時はお父さまと絶縁状態になったそう。
一方で、亡くなったお母様のことを思う時、「果たして母親の母親以外の人生を知っていたか」という自問が湧き、お母様の人生についてお話を聞いてこなかったことを後悔したそうです。
本では、お父さまとはそんな後悔を残すまいと、スーさん自ら「インタビュー」として父親の父親以外の人生についてお話を聞く様子がユーモアも交えて描かれています。
(お父さまはとてもチャーミングな方で、真実を書くと勝手にユーモラスに描けるそうです。)
「人間としての父」の姿を知ることでこれまで理解し得なかった、好きじゃなかったこだわりについて理解が深まったこと、
またスーさんご自身がお父さまを「親としてこの人は何点か」と採点し続けてしまっていたことに気づいたそうです。
どきりとします。
私も、たぶんちょっと、そうなので。
どうしても、「世間一般の理想的な父親像・母親像」にとらわれ、それに比べて我が家は・・・と考えてしまうことは誰にでもあるのではないでしょうか。
友人と話していると大人になった今だからこそ感じるお母様、お父様との関係の悩みをよく聞きます。
心にいつも抱えているものだと思います。
満ち足りたお顔でした。
わたしも関わらせていただけて幸せなトークショーでした。