正月休みを利用して息子が運転免許証を取得した。予め夫が申し込んでおいた教習所に4、5日通い、後は試験前日に夫の勤務先である学校の敷地で練習したようだ。驚いたのは教習所通いを始めて2日目で公道を60キロも走ったという無謀さ。日が暮れてもなかなか戻って来ないのでさすがの夫も気を揉んだが、教習所の門に小さな灯りが浮かび上がった時は安堵したとラインを送ってきた。日本だったら仮免を取得するにもかなりの時間が掛かる。何を隠そう私は仮免4回、本免2回受けている。見栄えは重視する割に面倒なプロセスを嫌うこの国は安全よりも簡易性、利便性が優先される。

 

 保育園時代トミーのミニカーを狭い部屋の床に数十台並べて遊んでいた息子。一番最初に買ったのはバキュームカー、続いてゴミ収集車、車両運搬車となぜか働く車がお気に入りだった。私の給料日の度に1台ずつ買い足し、私の両親や弟もプレゼントしてくれ200台近く保有していたが、彼が4歳になる直前の渡タイでお気に入りだけを100台持って来た。その息子が今や本物の車を乗るようになり、時間の流れの速さと人間の成長に驚くばかりだ。今手元に残る愛車はわずか5台、夫の本棚で遠慮がちに並べられそっと我家の歴史を見ている。